第63回小樽市文化祭「合同華展」が、10月24日(水)から27日(土)まで、市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリーで開かれ、流派の個性が光る生け花が会場に並び、多くの市民が楽しんだ。草月会北海道支部グループ緑・華道家元池坊小樽支部・小原流小樽支部・深雪アートフラワー遠田絢子教室が運営にあたった。
草月会北海道支部クループ緑(稲垣希佐子代表)では、8名による9作品を展示。ボリュームのある生け花を飾った。奥村佳以代行によると「家元の言葉で、花を生けたら人になる、その場に生きる花を生けることが大事」という。その花の中心となるものを生ける。葉牡丹にスプレーで色をつけたものを使用した作品も。秋をイメージし、5〜7種類の色の花を混ぜて挿したり、それぞれに個性を出している。奥村代行は「1年に1度の華展、発表の場としてとらえ、みな頑張って作品づくりをしている」と話した。
深雪アートフラワー遠田絢子教室では、10名による26点を展示。今年は、教室で同じ課題の作品を作り、それぞれの個性が分るように展示。1つのものになるように花器を揃え、ダリア、デルフィニューム、アオモジなど4種類の花を、生地を染めて仕上げている。個人それぞれに、花の大きさや本数が違い、6月から8月までの3ヶ月で完成させた未発表作品。遠田先生は「色合いも素晴らしく個性があり、みなひとつになり飾ることができた」と話し、平成8年から習い始めた師範でもある相澤英子さんは、「ダリアらしく作者の個性が出ている」と話し、相澤さんは、来年の干支へびの制作に取り組んでいる。
華道家元池坊小樽支部(栗栖玲子支部長)は、前期(24日・25日)の9作品と青年部作品を展示。今朝も水をやり、枯れたものは良いが萎れたものを取り替えるように気を配っている。小樽支部では、現在、教授者14名、準会員(教授)13名、青年部9名で、それぞれの教室に生徒が約60名ほどいる。
立花、生花、自由化が基本の形となり、水際が命。華道家元45世池坊専永氏は、住宅環境が変わり、床の間が少なくなり、住環境に合わせて、下駄箱にも合うよう小さく生けられるよう、1999年に立花新風体を発表した。昨年11月から今年11月まで、550年祭を行っている。栗栖支部長は「秋の美しい紅葉、秋の花を入れながら、ススキ、ワレモコウをいかに引きだ出せるか、『主』となる1輪を大切にし、『用』は何をあわせるか、『あしらい』は季節を加え、この3つを意識し生けている」と話した。後期(26日・27日)も、9作品の展示を予定している。
「和紙から生まれる芸術」 和紙ちぎり絵展開催
第63回小樽市文化祭「ちぎり絵展」が、10月24日(水)から28日(日)まで、市立美術館(色内1)市民ギャラリーで開かれている。にじの会(白鳥照子代表)が主催している。
文化祭へ向けて作品作りに励んだにじの会の生徒作品や、白鳥代表がボランティアで指導する発寒デイサービスセンター利用者の作品110点を展示している。
震災の手伝いをしようと昨年は岩手県遠野市へ。今年は、岩手県盛岡市で、展示会を開いていた作品の「東北六景」のコーナーを設けている。奥入瀬、松島、秋の角館(秋田県)、蔵王、花見山(福島県)、中尊寺などの風景を作品にしている。
今回は、いつもと変わった趣向で、にじの会の生徒作品をずらりと展示。同じ題材の作品を並べ、少しずつ違う個性が、一目で分かるように展示している。
白鳥代表は、「日本独特の手漉きの和紙を使用して、素晴らしい作品に生まれ変わる。作品を展示してみて、また違う発見ができ、同じ色を加えることで深みが出る。自分達の技術の向上へも繋がる」と話した。