文化芸術に触れる秋 小樽市文化祭 "市展"開催


 芸術の秋の到来と共に「第63回小樽市文化祭」が、9月26日(水)から、市立美術館(色内1)で開かれ、同時に「第66回市展」も10月7日(日)まで、同館1階・2階で開催されている。水彩・工芸・版画・素描・日本画・彫刻・油彩の入選作品77点と市展委員作品64点を展示、見応えのある作品展となっている。
 9月23日(日)の市展委員約55名による厳選なる審査の結果、市展賞は該当者なしとの厳しい結果となった。市長賞には、工芸(陶芸)「白樺」関戸美津子さんが選ばれ、陶器を白樺でイメージして作り上げている。教育長賞は、油彩「ひだ1209-22」小川豊さんの作品が選ばれ、今回の受賞で市展委員の仲間入りを果たした。
 市展は、今年で66回目を迎え、第63回市文化祭よりも早く開かれ、文化祭のさきがけとなった。工芸では、染色・塗り・陶芸の3つの作品が含まれる。美術館長賞、文団協賞、国際ソロプチミスト小樽賞、STV賞の受賞作品は、秋をモチーフにした今の季節にぴったりの作品で、ずらりと並べて展示。立ち止まって鑑賞する来館者も多い。

 小樽市美術展覧会(市展)運営委員会・上田入子副委員長によると、「何度も市展委員で話し合ったが、市展賞は該当者がいなかった。市展応募者は市内在住者であることや、市展委員になると応募できなくなるため、一般出展者が減少傾向にある。日本画も市内では15、6人は出展できるが、わずか2名の出展となり厳しい状況。絵を専門的にやろうとする人が増えない傾向がある。入賞作品も素晴らしいが、市展委員作品も素晴らしく会場を盛り上げいる。受賞者に委員の作品を目標にしてもらいたい。出展者は60歳代が多く、若い世代へ美術への関心をもっと持ってもらいたい」と話した。
 同館2階会場では、大型の油彩が並び、運河や冬の海岸、雨上がりの街並みなど、市内を描いた作品も多い。上田副委員長は、「100号サイズの絵が年々少なくなっている。大きな絵を描くには、体力が必要。出展者も高齢になってきている」と話した。
 友人と鑑賞していた市展委員2年目の菅原おりえさんは、「まだまだ勉強中。毎年出展してくださる方も多く、名前だけ覚えた人もいる。良い作品がいっぱいだと思う」と感想を話した。
 市展委員による講評会を、10月6日(土)16:00から17:00まで同館1・2階会場で開かれ、作品の前で講評する予定。
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