「鉄道の日」の関連行事開催 市総合博物館



 10月14日の「鉄道の日」にちなみ、小樽市総合博物館(手宮1)では、10月13日(土)・14日(日)に、関連イベントを開いている。
 13日(土)は、アイアンホース号の出発時間に合わせ、5分前より「線路搗き固め音頭の実演」や「アイアンホース号の機関士、車掌体験」、11:00から15:00まで「軌道自転車の体験乗車」が行われた。
 線路搗(つ)き固め音頭の実演は、小樽保線区OB会・線路搗き固め音頭保存会(黒田隆会長・74歳)の6名(70〜87歳)と小樽保線所、札幌保線所の若手現役職員4名の協力により復活した。旧小樽交通記念館の1996年から2004年に実演し、中断後、2010年に復活した。
railway1013.jpg 線路搗き固めの作業とは、機関車や貨車がスピードを上げて走行すると、線路にデコボコができ、列車の走行に影響が出るほどの狂いが生じ、この歪みを平らに直すこと。枕木の下に砂利を入れて、ビーターと呼ばれる6kgもあるつるはしを使って、レールの高さを合わせる。4名が1組となり、向い合い8名で行われる。歩調を揃えるために「ビーター搗き音頭」を歌いながら、作業を進めたのが始まりと言われている。
 この作業は、保線所の重要な仕事で、重労働だった。機械化になる1950年中頃(昭和30年代)まで、線路作業は人手で行われていた。現在、線路搗き固め音頭の実演ができるのは、全国でも小樽の同保存会のみとなっている。
 黒田会長は「この作業は昭和35年くらいまで行われ、当時根室本線に勤務し、作業をしていた。8:00から16:30まで、列車が通過した30分間の合間をみて作業を行い、重労働だった。若い人に継承し、後世に残そうと、当時の保線の大切さや鉄道の安全を守ってきたことを伝えたい」と話した。

 また、同館の中央駅向い側線路を使用し、保線作業で使われていた足こぎ式自転車の体験乗車を行った。参加者は、構内の景色を楽しみながら、爽快にペダルを漕いでいた。
 アイアンホース号の発車に合わせ、親子で機関士体験も行われ、小学生以下の親子1組ずつが参加した。11:30発車の機関士を体験した室蘭から来た吉田壮吾君(4)親子は、機関士の制服を着て運転室に乗車。踏切りの確認や発車の合図を体験。緊張した様子も見えたが、しっかりと任務を果たしていた。
 壮吾君は「アイアンホース号の機関士を体験したかった。1回目で乗れた。制服を着て写真だけかと思ったが、体験できて楽しかった」と話し、父親は「機関士さん達がとても優しく親切で、息子はさらにアイアンホース号が好きになったと思う。緊張していたみたいだが、楽しそうにしていた」と感想を話した。
 14日(日)は車掌体験が行われ、各運行30分前に同館中央駅にて受付を行なう。アイアンホース号運行時間は、11:30・13:30・14:30・15:30の4回となっている。