穴沢摩耶さんの個展「素象人形と陶板画展」 オーセントホテル小樽


anazawa1.jpg 造形作家・穴沢摩耶さんの個展「素象人形と陶板画展」が、9月1日(土)〜30日(日)に、オーセントホテル小樽(稲穂2)1階ギャラリーで開かれている。
 穴沢さんは札幌市出身で、結婚を機に小樽に住み21年が経つ。大学を卒業後、1988年に彫刻家・小林止良於氏に師事し、育児のため創作活動を1993年から休止し、2000年に活動を再開した。個展は今回で3回目、グループ展は2年に一度開いている。
 今回の個展のテーマは、「粘土の可能性を追求した作品展」としている。素象人形5点と陶器のペン立て、ペーパーウェイト、アクセサリーを20点、フイルムカメラを陶器で表現した作品8点、今回初出展の陶板画を20点展示し、販売もしている。
anazawa2.jpg 素象人形とは、着色せずに土の色そのままで、形を整えた後、縮みや割れが起こらないように、中を空洞にし、300〜400℃の窯で、8〜10時間素焼きにしたもの。植木鉢と思ってもらえればと穴沢さんは説明した。人形1体の製作日数は、3ヶ月〜半年と、じっくり時間をかけ完成させている
 素象人形の魅力は「デッサンがしっかりしていて、内面を表現でき、血の通った像ができることだと思う」と話した。アイヌの伝統舞踏「鶴の舞」をモチーフにしたものや、娘をモデルにした作品もあり、人形の表情はどれも優しく微笑み、柔らかい人間性が伝わる。フィルムカメラの作品は、昨年の個展でも人気があった。穴沢さんは、ライカも普通のカメラでも、実物のフィルムカメラを手にした時、アートだと思ったそうだ。
anazawa3.jpg 初展示の陶板画は、2年半ほど前から構想を練り、陶器を平面で表現し、気楽に飾れる額にしたという。額縁に入れて掛けることを考え、400〜500gに重さを抑えている。猫を取り入れた風景や紅葉、蝶など、落ち着いた色に仕上げ、額とバックの布も穴沢さんが吟味し、納得のいく作品に仕上げている。
 今後は「素象人形の後継者を残したい。小林先生の最後の弟子なので、きちんと継承し繋げたい。陶の可能性を広めたい」と話した。
 来場者は、声を合わせたように「素敵ですね」と、作品を鑑賞していた。
 「素象人形と陶板画展」オーセントホテル小樽1階ギャラリー
 9月1日(月)〜30日(日)10:00〜19:00(最終日〜15:00)