地震発生を想定 30機関325名が総合防災訓練



 9月1日の「防災の日」に合わせ、小樽市総合防災訓練が、8月31日(金)、色内埠頭(色内3)で、小樽開発建設部、小樽海上保安部など30機関・325名が訓練に参加し、車両41台、船舶9隻、ヘリコプター1機が集結した。
 同訓練は、「大規模災害に対する各関係機関相互の協力体制の強化と防災技術の向上及び市民の防災意識の高揚と防災知識の普及を図ること」を目的としている。「防災の日」は、1923(大正12)年の関東大震災を契機に制定された。
 13:10頃、北海道北西沖を震源とするマグニチュード7.8の地震が発生、小樽は震度7で、小樽市沿岸地域に津波警報を発表。市内各地で木造家屋が倒壊。海上では津波の影響で、重油が流失、火災が発生。道路の損壊、亀裂、がけ崩れが発生、交通網が寸断。ライフラインにも重大な被害が発生していると想定し、訓練が次々に行われた。
 津波の影響で接岸中のタンカー送油管から油流出事故が発生。海保、警察、石狩・後志管内沿岸排出等防除協議会などが、オイルフェンス展張作業、吸着マットによる回収作業、海面放水による攪拌処理作業を行った。
 倒壊建物から負傷者の救出、救助訓練。負傷者を救出し、担架で運び、ドクターヘリで搬送した。岸壁に係留中の船舶から火災が発生、乗務員2名が逃げ遅れた。海上では、海保、警察、港湾より4隻が出動、陸上では、ハシゴ車、消防車など10台が出動し、けたたましいサイレンが鳴り響いた。消防団員13名も加わり、迅速に訓練が行われた。逃げ遅れた乗務員をハシゴ車を使い救出、海と陸から一斉放水を行った。
 2時間半近くの訓練全てが終わり、参加者全員がグランドに整列した。
 中松義治総監(市長)は、「本番さながらの訓練で迅速かつ的確な行動で心強い。東日本大震災後1年半が経ち、復興への長い道のりが続き、終息していない。本年は、6月に茨城、栃木で竜巻、7月には九州北部を中心に記録的な洪水、甚大な被害をもたらした。様々な災害がいつどこで発生するか予測は大変難しい。本日の訓練の成果を踏まえ、今後、地域住民の安心安全を確保するために、関係機関の連携を密にし、各種の災害に備え、日頃から体制に万全を期していただきたい」と講評を述べた。