138億円の巨費をかけて建設する小樽市新市立病院建設で、2度の入札中止に追い込まれる醜態を演じた小樽市(中松義治市長)は、6月11日(月)に開会された市議会の市立病院調査特別委員会(山田雅敏委員長)で、3度目の入札を8月下旬に実施することを明らかにした。
同委員会で配布された「新市立病院建設工事スケジュール(案)」によると、市況調査・分析、設計、積算の見直しを、6月下旬迄。設計、積算のまとめと検証、審査等を、7月上旬迄。7月中旬:入札告示、8月下旬:入札、契約。9月上旬に工事着工し、工期24~25ヶ月をかけ、平成26年9月下旬に竣工引渡し。同年11月新病院開院となっている。
この日の委員会で中松市長は、「今回の入札については、2度の事態で本日に至り、議員や市民の皆様に大変申し訳なく思っている。病院局にはいち早く検証し、一日も早い工事の発注をしてもらうよう指示を出している。市民の皆様から、市民の命と健康を守る新しい病院をつくってもらいたいということを言われているので、ご理解いただきたい」と繰り返し述べた。
質疑の中で、病院局は、大震災による資材・労務費が高騰しているとし、市況を反映した設計額の見直しに再三言及し、言葉の端々から、設計額の増額を目論んでいる様子が伺えた。小山秀昭経営管理部長は「1ヶ月の工事の遅れで、2,000万円の損害が出るので、できるだけ早く着工したい」としたが、2度の入札失敗で、既に6ヶ月の遅れが見込まれることから、1億2,000万円程度の損害が出ることになり、これも市民の肩に降りかかってくることになる。
2度の入札失敗は、市の行政能力不足が惹起したもので、損害を被らせられる市民にとっては重ねての災難となる。新病院建設では、前山田市政時代から失敗に次ぐ失敗の連続で、中松市政になってもこの流れは一向に変わる様子は見えない。
市は、3度目の入札を「絶対に失敗できない」と背水の陣で臨むことにしているが、市と市議会と設計会社の3者で進める価格の上乗せでの新病院建設の前途は、まだまだ不透明だ。
果たして、小樽市民はこんな税金の無駄使いを手をこまねいて見ているのだろうか。