
新しく設置された水路は、奥沢ダムに直接流入している二股沢川の水を勝納川に導くため、ダム提体の約半分をV字状に大きく掘削して完成した。工事は2011(平成23)年11月9日から2012(平成24)年3月26日までで、雪の積もる厳しい冬期間に行われた。
水路の設置延長は、172.5m、提体掘削土量77,000㎥で、これは10tのキャリアダンプ13,000台分に当たる。掘削した土は、ダム周辺の3箇所に山積みされている。工事費は1億8,500万円。
半分にV字カットされたダム提体は、奥沢水源地のこれまでの光景を一変させた。カットされた提体の斜面には、ブルーシートで覆われ、周辺の豊かな自然とは不似合いの人工的な光景となっている。設置された水路は、3本の流れで下のプール部分に誘導され、水流の勢いを調整して、勝納川に注いでいる。

ダム横の勝納川には、「水すだれ」として知られる階段式溢流路が、満開の桜を背景に轟々と水を流れ落としている。6月7日まで一般公開されており、乳母車の親子連れが、水管橋からの眺めを楽しんでいた。
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