手話の理論と実技を学ぶ「平成24年度小樽市手話奉仕員養成講座<入門課程>」が、4月10日(火)から、身体障害者福祉センター(稲穂4)で開かれた。
4月10日(火)から9月12日(水)まで、昼コース13:00〜15:00と夜コース18:30〜20:30、全22回の講座が開かれる。10日(火)13:30から、同センターで、昼のコースの開講式が行われ、8名が受講した。
小樽市福祉部・澤田秀明主幹は「手話は言語であると考え、筆談を利用しても、意思を充分伝えることが出来ず、手話は表情も含めて伝えることが出来る。聴覚障害者が自立した生活をし、社会参加するために、手話奉仕員は重要である。全員に修了書を渡せることを願い、ステップアップし、基礎課程に進むことを期待する」と挨拶をした。
ろうあ協会・米谷正会長は「手話を学ぶ上での心構えや技術を上げる方法として、ろうあ者を理解してもらうこと。目標を持って頑張れば、手話で話せるようになると思う」と話した。
「聴覚障害者の生活」と題して、米谷会長が講師となり、自らの体験を交えて語った。
「聴覚障害者は、『ろう者(聞こえない)』と『ろうあ者(聞こえない・話せない)』がある。聴覚障害者は、障害があることが分りづらく、いろいろな誤解を受けることが多く、悩みや苦しみを持っている。障害の原因は、妊娠中に母親が病気にかかったり、生後は、薬の副作用などから起こることがあり、先天的と後天的に分類される。
小樽市の聴覚障害者は600名。2/3以上は、高齢のため耳が遠くなった人が多く含まれている。手話で会話をしている人は、2級、3級の人で、小樽市では約180名。暮しの中では、地域とのコミュニケーションが取りづらい。子育ては、子どもに言葉を教えることが大変だった。職業の選択が狭く、職場でもコミュニケーション不足となる。病院の通院では、名前を呼ばれても分らなかったり、医師からの説明にも時間がかかり聞くことが出来ないこともある。現在は、手話通訳者が付き添い、問題が解消されることもある。
手話の講座の心構えとして、目で聴くこと。講師の手話を見ながら、学ぶことが大切である。手話には5つの権利があり、①手話を獲得する、②手話で学ぶ(手話言語話者から直接学ぶ)、③手話を学ぶ(使用する言語について理解を深める)、④手話を使う、⑤手話を守ることである。5名の講師で行われるが、手話の表現は、人それぞれに違いがあることを理解してもらいたい」と話した。
参加した女性は「何十年か前に、ここで学んだことがある。仕事を辞め、時間を作り、再び勉強したいと思い参加した。続けてみようと思う」と話していた。