小樽市(中松義治市長)は、総事業費137億5,000万円で388床の新病院を建設中だが、この豪華病院が、他市では半額で建設されていることから、小樽市の新市立病院の事業費の大盤振る舞いに、市民の関心が高まっている。
富山県氷見市(堂故茂市長・人口55,000)の氷見市民病院は、2008年4月より金沢医科大学が指定管理者となり、公設民営化を図り、2011年9月に、新築移転してオープンした。敷地面積32,000㎡、延床面積21,646㎡、建築面積7,645㎡。6階建、駐車場500台。病床数250、診療科25、常勤医師46を数える。
この金沢医科大学氷見市民病院の総事業費は52億円で、1床当り2,080万円となっている。しかし、小樽の新病院の総事業費137億5,000万円の388床では、1床当り3,544万円と、氷見市に比べ、なんと1床当り1,464万円も高いハコモノとなっている。しかも、建築面積は、小樽の7,325㎡に対し、氷見は7,645㎡と広くなっている。小樽市の診療科は23科で、氷見の25科に及ばず、駐車場台数は、氷見の500台に対し、250台と半分しかない。
済生会小樽病院が、築港地区に建設中の病床数250床の新病院の総事業費は55億円で、ほぼ氷見市民病院と肩を並べる。1床当り2,200万円となっている。これらの病院の新築費用に比べ、小樽は突出している。氷見に比べ、58億円も余分の負担を強いられていることになる。
これから建築にかかる栃木県小山市の新病院でも、1床当り2,273万円で、氷見市民病院や済生会小樽病院と同レベルにある。
これらの事例から、官民の違いがあっても、病院の建設コストは、ほぼ同じになっていることが分かる。人口減少と高齢化が進む小樽市は、過疎地に指定され、財政は火の車状態の中で、他市の倍額もかけて、市民が子供も産めない豪華病院の建設にまい進している。
それでも、28日の市議会の答弁で、中松市長は「新病院の建設は適切なものと判断している」としている。
果たして、小樽市民の判断はいかに。
◎金沢医科大学氷見市民病院HP
◎氷見市HP