平成24年1月26日(木)、「第58回文化財防火デー」の啓発行事として、小樽市総合博物館(手宮)で火災防御訓練が実施された。
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文化財防火デーは、昭和24年1月26日に奈良の法隆寺の金堂から出火、国宝の12壁画を焼損したのを機に、昭和30年に定められた。消防隊の人命検索、実践的な火災防御訓練を実施し、歴史的建造物等の災害対策を確立し、市民や関係者に防災意識を高め、啓発を図ることを目的としている。
10:00、館内で火災が発生したとアナウンスが流れ、本館より自衛消防隊3名が機関車庫3号へ向かった。雪が積もった中、重要書類を運び出す人の姿が見られ、サイレンの音がけたたましく鳴り響いた。救助工作車・はしご車・タンク車3台・救急車・指揮車の車両7台と消防本部職員29名、消防団第15分団3名、同館自衛消防隊5名による、火災防御訓練が展開された。
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柿崎隆幸消防署長は「このような足場の良くない中で訓練をし、ほぼ出来たと思う。協力してくれた施設にも感謝し、今後、力を入れたいきたい」と述べた。
「国指定重要文化財などの建物から火災を出してはならないと、毎年行われているが、悪天候により中止になることもある。訓練により博物館自衛消防隊との連携を図り、立ち入り検査、消防設備の確認・取扱いを、普段から注意し、放火の危険性などを指導している」と、消防本部・村木政己予防課長は話す。
青木良英館長は「自衛消防隊であることを自覚し、慌てずに行動できるようにしていきたい」。石神敏学芸員は「定期的に建物の中に入り見回りをしている。状況の変化など、人間の目で確かめるようにしている。常に火災とういうことがありうることを考え、気を付けるようにしたい」と話していた。