第15回ペンギンクラブ木版画作品展 市立小樽美術館

 第15回ペンギンクラブ木版画作品展が、12月4日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーで開かれている。
 ペンギンクラブは、現在、60〜80歳代の会員22名が、生涯学習プラザで週1回、北村猛講師による木版画を学んでいる。
 今回の作品展は、会員17名の42作品と、会員有志の小作品、年賀はがき、カレンダーを展示している。
 ペンギンクラブという名前は、入会後、北村講師による最初の練習画題が”ペンギン”だったことから名づけられ、作品展のプログラムの表紙には、今でも使われている。
 木版画は、色の分だけ木版が必要となり、1枚ずつに色をつけ専用の紙にずれないように重ねていく。絵具は、木版画専用や水彩絵具、ポスターカラーなどを使用している。
 カレンダーは毎年恒例となり、表紙を含めて1月から12月まで13人が担当している。毎年作る人は入れ替わる。制作を担当した人は、自分の月を会員22人分作ることとなり、大変な作業となるが、ペンギングラブオリジナルカレンダーは、楽しみのひとつとなっている。また、年賀状の交換では、それぞれ個性豊かな作品に刺激され、これも楽しみとなっている。
 会場で何度も作品を鑑賞していた北村講師は、「風景や動物、自分で歩いて題材を探している作品もある。細かい線を彫って仕上げた作品や、素朴なイメージや作者それぞれの個性が出ている。版画では、絵に描いても面白くないようなものを活かす事ができる。みんな上達して驚いている。講師を追い越している作品が多く感心する。もっと、沢山の方に教室に来てもらいたい。自分の考えを出せるような作品ができるように、自分で題材を持ってくるともっと素晴らしくなる」と感想を述べた。
 真下傳さんは、3点の作品を出展し、「趣味で、年賀状を版画で作っていた。入会して13年経つ。小樽の版画家・金子誠治さんが『版画は、絵の俳句』と言っている。版画は、写真や絵のように全部を入れるのではなく、その中から一番感動する所、良い所、残したい所を抜いて作品にする。この事を考えながら作品づくりをしていると、絵の俳句に近づけるかなと思いながら制作している」と話していた。