小樽市出身の画家・本間聖丈氏(1922~2004)の遺作2点が、生まれた地・色内の北運河沿いに建つ歴史的建造物「旧渋澤倉庫」(現・小樽GOLD STONE)の壁面に飾られ、建物を一層惹き立てている。
本間氏は、1922(大正11)年に小樽市色内で生まれた。日本画を中心に水墨画、仏画、漫画など幅広い表現方法を持つ画家で、小樽では1958(昭和33)年から市展委員を務め、小樽日本画協会を主宰し、1993(平成5)年度に小樽文化貢献賞を受賞した。「美術関係者ばかりではなく広く市民から敬愛された画家でした」(市立小樽美術館)。逝去した2004(平成16)年には小樽市文化功労賞を受けた。
本間氏の死後、長女の元子さんが実家を処分することを決め、遺作を飾る場所を探していたところ、「旧渋澤倉庫」の土地・建物を取得しライブハウス・レストラン「GOLD STONE」に改装した株式会社サウンドクルーの山本英幸代表取締役社長を知人から紹介され、「漁具小屋」と「漁網のある風景」の2作品が同所に飾られることになった。
山本社長は、「運河や港の絵で有名な方で、元子さんが、港の絵だから港の近くにあるこの場所に選んでくれた。『GOLD STONE』がある限り、絵を置いてもらうという約束で展示することになった。レストランのレンガの壁やエントランスホールの石造りの壁にしっくりとはまり、ずっと昔から飾られていたような雰囲気だ。レストランでは、ホールと区切られた場所に展示したところ、その空間のグレードが上がり、お客さんが好んで座ってくれるようになった」と語る。
樽っ子画家・本間聖丈氏が小樽の港を描いた遺作が、生まれた地に建つ歴史的建造物内を飾っている。
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