「札幌聖ミカエル教会とアントニン・レーモンド展ー田上義也と親交を深めた建築家たちー」が、旧坂牛邸(入船5)の田上義也記念室で、12月4日(日)までの金・土・日10:00から15:00まで開かれている。主催はNPO小樽ワークス。
チェコ出身の建築家アントニン・レーモンド(1888〜1976)は、戦前・戦後の日本で活躍した。F.L.ライトの東京・帝国ホテルのスタッフとして来日。田上義也とも現場で働いた。RC造の技術を学び、現場の大工からは日本の伝統的な木造の技法も学んだ。道内では、現存する札幌聖ミカエル教会を設計した。
本展覧会は、北海道大学遠友学舎での開催に続き、親交のあった田上義也設計の坂牛邸で開かれている。レーモンドが日本で手掛けた木造建築(1933年ペイネ美術館・1935年聖ポール教会など)の写真や図面を展示している。
レーモンドと親交のあった田上氏は、1925年市内で最初に、高田治作邸(富岡町)を建て、坂牛邸は2番目となる。坂牛邸は、小樽公園の側にある薄緑色の壁と緑色の屋根の洋館で、白樺林との景観もよく、ひときわ目を引く建物。当時小樽新聞社重役であった坂牛直太郎邸として、1927年に竣工した。
4年前までは住居として使われ、昨年2月に、記念室がオープンした。 玄関のドアを開けると、セピア色のエントランスが広々とした空間を作り、外観からもひと目で分かる八角形の応接間や造り付けの家具・窓枠など、いたるところに田上氏独自のデザインが残されている。
関連企画として、10月29日(土)18:00〜19:30に、小樽市公会堂1号室で、講演会「田上義也と親交を深めた建築家たち」も行われる。講師は角幸博氏(北海道大学名誉教授)で、入場無料。
11月5日(土)9:00〜17:00には、小樽発着のツアー「レーモンドゆかりの建築を巡る」もある。坂牛邸・札幌聖ミカエル教会・旧小熊邸・上遠野邸などを巡る。参加費3,000円、申し込みが必要。問合せ:NPO小樽ワークス 090-3468-3741(東田)
◎NPO小樽ワークスHP