「ハルカヤマ藝術要塞2011」が、9月25日(日)から10月22日(土)まで、春香山山麓で開かれている。
道内アーティスト56名が参加した55個の作品が、春香山の自然の空間に溶け込んで、その存在を示す野外展となっている。
10月8日〜10日の3連休は、10:00のオープンとともに、会場には、続々と人が訪れ、関係者はうれしい悲鳴を挙げていた。小樽の自然の中に、何があるのかどんなアート作品と出会えるのか、観客たちは、森を探検するような気持ちで歩いて行く。
まず目につくのは、荒井善則さんの「Soft Landing To Field in Harukayama」。きのこにも見えるアートに引き寄せられる。池の跡地には、小樽在住のダムダンライさんの「風と色」。木の枝・流木にアクリル絵の具が塗られている造形のアート。見る人の想像力が膨らむ。阿地信美智さんの「使いものにならない領域(七)天国へのハシゴ」があり、けもの道を登ると、実行委員代表の渡辺行夫さんの作品「木洩れ紅」。その先に、実行委員会仮設事務所がある。会場内は、未舗装でケモノ道が多く、山歩きスタイルがベスト。足元は、どろどろな状態の所もあり、長靴などを用意した方が歩きやすい。
小樽市銭函在住の渡辺さんは、「展覧会をしようと思い3年前に開拓を始め、どんどん整理していくうちに、広々とした展示場所が増えた。そこで、仲間にも声をかけ、野外展を開くことになり、7月30日から制作を開始した。昨日(8日)は587人が来場し、今日も600から700人位を予想している。冬になる前には、作品を撤去する予定。”今年やろう!”と思い、ここまで来たので、来年の事はまだ考えていない」と話していた。
池田緑さんの「マスク・プロジェクト<最終章>ーサホロ1999〜ハルカヤマ2011」は、マスク311枚を樹木につるしている不思議なアート、小樽在住の水木のぼるさんの「戦争の蛹」など、秋晴れの日、木漏れ日がよりいっそう作品を引き立て、幻想的な世界を作り上げていた。
札幌北区屯田の宇藤千里さんは、「会社の同僚に聞いて、是非行ってみようと来た。美術館で見るのも良いが、山の素材が良く、探検するのに良い。空間を生かした芸術品で自由な視点で解釈して楽しめた。こんなところにもあったと発見する楽しみもあった。普段から興味のあるものは、美術館へ足を運んでいる」と話し、いつもとは違った芸術鑑賞を楽しんでいた。
このハルカヤマの自然を舞台にした数々の芸術作品は、10月22日のクローズまで鑑賞出来る。場所は、国道5号線JRバス停「西春香」より看板を目印に徒歩2分。
◎ハルカヤマ藝術要塞2011HP