小樽市(中松義治市長)は、10月5日(水)18:00から、貞村英之副市長が記者会見を開き、政治資金規正法違反事件に係った部長・次長・課長ら108人に、文書厳重注意(100人)と訓告(8人)の措置を行ったと発表した。
同事件は、4月の市長選に係り、3月に行われた政治資金規正法に基づくパーティー「中松よしはるを励ます夕べ」の入場券の販売が、市役所庁舎内で行われ、窓口となった総務部長と部下に販売した当時の部長11人が、公務員の地位利用による政治資金規正法違反とされ、略式命令(罰金・公民権停止)処分を受けた。また、退職者を除く108人の管理職が、このパーティー券を購入するなどして事件に関与していた。
市は、すでに現職部長8人に対し、減給の懲戒処分を行っていたが、今回は、パー券購入に関与した他の管理職に対する処分で、文書厳重注意(100人)と訓告(8人)の措置を行った。この処分を行うことは、市が設置した外部調査委員会の提言で、「本件パーティー券購入者に対しても適切な処分、措置等を行うこと」が求められていたことによる。
「購入自体に違法性はないものの、複数の候補者で市長選挙が争われることが確定的な状況の中で、特定候補者への資金カンパにつながるパーティー券の売買が、庁舎内で行われていたものであり、このような上司の違法行為を看過し、公務員の政治的中立性に疑念を抱かせる結果となった責任」から、部長職3人・次長職15人・課長職81人・その他1人の100人を文書による厳重注意とした。
「パーティー券を購入したほか、各部長からの意向を伝え、券と代金の受け渡しを行っており、公務員の政治的中立性に疑念を頂かせる結果となった責任のほか、上司の行為が相当なものであるかどうか熟慮せずに単純に行った責任」から、部長職1人・次長職3人・課長職4人を訓告とした。
今回行われた厳重注意と訓告は、法律に基づく懲戒処分でなく、あくまで実務上の処分で、その身分や給与などになんら実質的影響を及ぼさない軽い処分となっている。
しかし、今回の処分で、パー券事件に関与した幹部職員の措置が終わったことと、既に大規模な人事異動が行なわれたことで、市はこの事件の幕引きを図りたい考えだ。今後は、再発防止のための事務的措置を行うことにしている。
◎パー券事件
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