小樽出身の青年海外協力隊員の報告会


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 小樽出身の青年海外協力隊員・坂井慎太郎さん(25歳)が、2009年6月から2011年6月まで、ドミニカ共和国に小学校教諭として派遣され、任期を終え無事帰国した。小樽市長への帰国報告会が、9月22日(木)13:30より、市長室で行われた。
 配属先は、ドミニカ共和国ホセ・アルマンド・ルムデス学校。活動内容は、各学年に対応じた授業水準と生徒の成績向上のためと、教育実習を行う教員養成校学生への教育手法に関する提言。
 ドミニカ共和国は、カリブ海に位置し、面積は九州と高知県をあわせた広さで、人口1000万人、スペイン語を話す。
 坂井さんは、小樽出身で北海道教育大学函館校を卒業し、外国で働けるのはここしかないと思い、JICAに応募した。「自分の微々たる力でも誰かのために役立てたい。自分にしか出来ないような方法で、何かに貢献したい。強いバイタリティーと精神力を持っている」と、自己紹介をしている。JICA2.jpg
 中松市長と派遣先の写真を見ながら、なごやかに現地報告が行われた。
 「JICAの3ヶ月間の合宿でスペイン語を学んだ。片言で話せるようになったが、現地のなまりがあり、言葉の通じなさに少し苦労した。
 最初の1年は、習慣や気候、食事に慣れるまで大変だったが、ストレスは無かった。一般家庭にホームスティした。飲み水は水道水を飲まず、販売しているものを飲んだが、お腹の調子を悪くすることがたびたびあった。ドミニカは、治安は良いほうだが、夜は出歩かないようにし、タクシーで移動した。
 学校で一番初めにしたことは、机の並び方を教えた。机を並べていなく席も決まっていない。子ども達へは、強制的に意味を持って机を並べるよう指導した。避難訓練をしたが、机の下にもぐって楽しんでいた。先生方は、訓練を知るだけでも違う、きっかけを作ってくれたと喜んでいた。日々驚くことが多い中、子ども達の考え方が日本とは全く違う。細かいことを気にしない、陰湿さがなく、いじめがない。日本では言わないようなあだ名で平気で呼ぶ。おしゃべり好きな子ども達だった」と話した。
 市長は、「教える立場ではあったが、学ぶんだこともあり、教育者として、子どものためにしっかりとした教育をしてあげて欲しい」と、話し、坂井さんは、「今後出来れば、小樽、札幌で教員につきたい。この経験を伝えていけたらと思う」と述べた。