「平和を願う”歌とオカリナコンサート”」が、8月29日(月)18:30から、小樽市立手宮西小学校体育館で行われた。参加者は60名。主催の札幌大学校友会が、小樽市内でこのようなコンサートを開催できる所を探し、手宮西小学校が受け入れ、実現した。
始めに、主催者代表の三ッ野豊さんが、「札幌大学校友会は26の支部があり、社会貢献活動として、文化活動やボランティア活動の支援を行っている。オカリナと歌の演奏をじっくり聞いて楽しんでください」と挨拶した。
今回のシンガーでもありオカリナ奏者の眞朝(マアサ/本名:富田正之)さんは、大学時代オーボエ奏者として活躍。昭和60年頃より独学でオカリナを始め、大学卒業後、会社員生活を送り、その傍ら、デュエットボーカルとして活動。オリジナル曲が、平和・いのち等をテーマにしていたこともあり、各地の平和イベントに招かれた。
その後、会社を辞め、オカリナ奏者シンガーとして活動。オカリナのオリジナル曲を中心としたアルバムを発表。平成16年〜18年は、平和、人権、いのち等をテーマにした公演を交えた演奏も多数手がけている。全国各地でコンサート活動を展開し、平成22年夏より北海道を拠点とし、札幌にオフィイスを開設し、活動の場を広げている。
手宮西小学校体育館のステージ上では、眞朝さんの語りと共に、大きなスクリーンでは戦争の話と画像が流れ、そして、オカリナが演奏され歌声が響いた。いつもの体育館が、雰囲気の違うコンサート会場へと変身した。
1曲目は、スタジオジブリの「天空のラピタ」の主題歌から「君をのせて」が演奏された。
「スクリーンで流れ出される文章は、大人向けに作った文章なので、小さな子どもたちには難しいと思うが、分りやすく説明しているので聞いて欲しい。平和について考えましょう」と、次々と戦争の話が語られ、沢山の人々が亡くなったことを伝えた。
聖母マリアをたたえて「アヴェマリア」や、沖縄での悲惨な戦争が語られ「さとうきび畑」が演奏され「島唄」が歌われた。旧ソ連の人が作った曲「鶴」は、戦争で死んでしまっても、鶴になって帰ってくるという思いをこめての曲。映画「ミッション」の主題歌「ファンタジア」と続いた。「アメージンググレイス」は、オカリナと歌が交互に流れ、聴衆は、うっとりと聞き入っていた。
「エルトゥールル号の遭難」という実話の朗読もあり、戦争の悲惨さを感じ、また、人々の温かさを感じ、時間の過ぎるのを忘れる内容となった。
最後に、8歳の息子をガンでなくした足寄に住んでいる友人の話の曲で、「ありがとう ポエム」というオリジナル曲で締めくくった。
「前半は、戦争・平和・虐殺などで、後半は、ひとりひとりに「ありがとう」を感じ、感謝の「ありがとう」と伝えてください」と、眞朝さん。
手宮西小学校澤本昌宏校長は、「魔法の言葉を教えてくれた『ありがとう』を、眞朝さんにお返ししましょう」と話し、みんなで『ありがとう』と言って終了した。
マネージャーの庄田ゆきえさんは、「平和について、感謝の気持ちを持って過ごしましょう。戦争体験者が亡くなり、戦争を語り伝えるコンサートです」と話した。
色内小学校PTA会長の中川めぐみさんは、「今、大人が子どもに伝えなくてはならないことを、みなさんと一緒に共有できたと思います」と、大変満足した様子だった。
参加者には、戦争と平和について考え、オカリナの音色と歌声が心に残る、貴重なひと時となった。