"群来(くき)"到来!ニシンに沸く東小樽海岸



 「ニシン来たかとカモメに問えば・・・」。2月3日(木)の節分の日。カモメの群れが東小樽海岸に集まり、「ニャー、ニャー」の泣き声を周辺に響かせ、乳白色に染まるニシンの”群来(くき)”の到来を告げた。
 3日(木)早朝、同海岸の3代目漁師・石田伸一さん(39)から小樽市漁業協同組合に電話が入った。4年連続の”群来”を伝える一報で、これを受けた漁組は関係機関に連絡した。
 東小樽海岸周辺には、報道陣やカメラマンが一斉に集まった。朝里川河口付近から平磯岬までの約2kmにわたって広がる”群来”を記録しようとシャッターを切っていた。
 ”群来”は、産卵期を迎えたニシンが、大群で浅瀬に押し寄せて産卵し、海を乳白色に染まる現象。余市の中央水産試験場の高橋和寛・主任検査員によると、4年連続で起きている。今年は昨年よりも5日早く、広い範囲で起こっており、高橋主任検査員は、「期待通りだ。放流や漁期の制限などのニシンの増産対策が実を結んでいる」と、乳白色に染まる海をじっと眺めていた。
 漁組によると、2月1日(火)現在のニシンの水揚げ量は99トンで、昨年同期の250トンと比べると半分以下で推移している。冷凍事業部・中山登部長は、「今日の水揚げは今季最高の3,000箱。来遊が遅れているのかもしれないが、群来たことでこれからの水揚げに期待したい」と話していた。
 東小樽海岸の漁師たちは、水揚げしたニシンを網から外し卸売市場に出す準備に追われていた。本社が取材に入ると、「ほれ白子だよ。数の子もこれこうやって押せば出てくるよ」と見せてくれた。同海岸は、小樽のかつての繁栄を支えたニシンで沸いていた。
 また、この情報を聞きつけて銭函から同海岸を訪れたサーフィンフォトグラファーの脇坂肇さんは、「ようやく写真を撮ることが出来た。来る途中朝里のベーグル屋だったところの海岸でも少し群来てた」と興奮気味に話していた。
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