市立小樽病院(若松1)と小樽市立脳・循環器・こころの医療センター(長橋3)の10月分の収益と患者数が、7日(火)に小樽市病院局から発表された。
市病院局発表の「平成22年度診療収入(対21年度診療収入)」によると、市立小樽病院の入院収益は2億1,278万9,000円(前年差+1,747万 5,000円)、外来収益は1億3,039万4,000円(同-204万円)。入院患者数は4,924人(同+240人)、外来患者数は9,608人 (同+399人)となった。
医療センターの入院収益は2億288万9,000円(同-1,833万5,000円)、外来収益は9,153万7,000円(同-29万8,000円)。入院患者数は5,583人(同-189人)、外来患者数は5041人(同-185人)と、それぞれ減少した。
両院合計では、入院収益は4億1,567万8,000円(同-86万円)、外来収益は2億2,193万1,000円(同-233万8,000円)、入院患者数は10,507人(同+51人)、外来患者数は14,649人(同+214人)となった。
昨年度までの医療センターの収益・患者数は安定していたが、今年度4月以降は前年差マイナスが頻繁に見られるようになった。10月は、「収益が下がる場合は、大きな手術がないなどで患者一人当たりの診療収入が少なくなることがある。センターの10月分の入院収益は単価が下がった影響がある。外来収益は、単純に患者数が減少したことで収益も下がった」(市病院局)と、収益・患者数ともにマイナス数字が並んだ。
同センターの心臓血管外科の医師1人が退職したのは10月末で、この10月分には影響しないが、同局では「11月の診療収益にどのくらい影響があるか気にしている。ただ、4月から9月までが前年を上回り、9月までの貯金があり、10月を足しても合計で前年を上回っている」としている。
10月分の減少について、医療関係者は「普通、寒くなる10月からぐぐっと収益が上がってくるのに、10月に収益が下がっているということは今後かなり辛いだろう」と指摘する。
小樽市が進める新病院建設には、現在146億円の起債(借金)が必要と見込んでおり、起債許可には2010(平成22)年度中に不良債務(11億 6,303万8,000円)を解消することが第一条件となっている。同局では、「不良債務解消を実現するために、入院外来の収益を確保し、経費節減を徹底していく。今はそれしか言えない」と苦しい現状を語っている。
収益減によって病院単独での不良債務解消が出来なくなった場合、何が何でも起債許可が必要な市は、一般会計からの繰入で帳尻を合わせようとすることも予測されるが、今年度はすでに4億円を追加繰入れしており、赤字病院のために、さらに、これ以上の税金をジャブジャブ注ぎ込むことには、到底、市民の理解は得られそうもない。
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