来年4月の小樽市長選で、今期限りで引退を表明している山田勝麿市長の後継選びが難航していたが、12月15日(水)、山田体制を支えていた自民・公明・民主・連合小樽・商工会議所の5者協議で、市役所の収入役を務めた経験がある中松義治・商工会議所専務理事(64)に出馬を要請したことが分かった。
市長選では、これまで、自民党北海道第4選挙区の宮本融支部長や民間人の名前が十数人上がっていたが、民主党との相乗り体制が維持出来ないなどの理由で、候補者選びが難航していた。
15日(水)になり、オール与党の山田体制を支えていた自民・公明・民主・連合小樽・商工会議所の5者協議(山本秀明座長・小樽商工会議所会頭)で、「小樽を良くする前提で彼しかいない」と、市役所の収入役を務めた経験がある小樽商工会議所の中松義治専務理事に出馬を要請することを決めた。
山本座長は、15日(水)夜、東京出張中の中松氏と直接会い、正式に出馬を要請。これを受け、中松氏は、「2ヶ月前から自分の名前が上がっていたことは知っていたが、自分は64歳だし、もっと若い人にやってもらった方が良いのではと話していた。最初は受けられないと言っていたが、会頭が東京まで来て、やってくれや頼むと言われた。まだ了としていないが、話は承りましたと言った。ここまできた以上、ノーとは言えないのも事実で、これから女房を含めて相談しないといけない。簡単な気持ちで受けられる職ではない」と本社の取材に対し述べた。
中松氏は、夕張市出身。道立夕張東高等学校卒業後、北海道拓殖銀行株式会社、北洋銀行株式会社などに勤め、1999(平成11)年6月から小樽市収入役として約7年間小樽市政に携わり、現在、小樽商工会議所の専務理事を務めている。
前回の2007(平成19)年4月の市長選は、新市立病院問題が最大の争点となり、築港地区での建設を推進した現職の山田勝麿市長が30,297票で当選したが、リフォームを訴えた佐藤静雄氏が25,511票、現在地周辺での建て替えを訴えた森井秀明氏が23,019票で、築港地区反対派の得票数が6割を超すという結果だった。築港地区での建設を訴えた山田市長だが、結局、建設候補地を相手候補が訴えていた量徳小を含める現在地周辺に変更し、現在は総額148億円の巨費をかけての建設を推し進めている。
次期市長選では、山田市長の後継選びが難航していたが、年末になってやっと正式に名前があがることになり、これで小樽は一気に選挙モードになり、対立候補の擁立にも拍車がかかることになる。前回選挙で現在地でのリフォーム・現在地周辺での建設を訴えた佐藤・森井2氏の支援者たちは、新たな候補擁立を目指している。
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