小樽市新光の勝見昭二さん(64)が、市内の路上で卒倒した72歳の男性の人命を救助したとして、12月8日(水)、小樽市消防本部(会田泰規消防長)から表彰状を受けた。
勝見さんは、11月14日(日)10:35頃、双葉高から入船に下る住ノ江1の車道を自家用車で走行中、歩いていた男性が突然前のめりに卒倒する瞬間を目撃。徐行しながら様子を見ていたところ、仰向けになって起き上がらなかったことから、直ちに駆け寄って、「おじいちゃん」と声をかけた。顔を叩いて声をかけても反応がないことから、心肺停止状態と判断し、以前に受講した救急講習の知識を活かして、心肺蘇生など応急手当を開始した。
ちょうど雨が降っており、男性の顔に雨が当たらぬようにと傘をさしながら心肺蘇生を行った。このため一人では119番通報が出来ないことから、通りかかったタクシーを止め、救急要請を依頼。この救急連携で倒れた男性を救命した。
男性は、札幌市内の病院へ転院搬送され、ペースメーカー埋め込み術施行後、数日間の入院を経て社会復帰。会田消防長は、「救急隊が来るまで救急措置を行い、理想的な連携で人命を救助した。我々が駆けつける間に応急手当をしてくれていなかったら男性は助からなかった。心肺蘇生の講習を受けていても中々行動に移すことが出来ない。一度表彰はお断りされたが、ぜひ受け取って欲しいとお願いした」。
勝見さんは、2004(平成16)年に市役所退職後、舞台照明・音響などの株式会社ステージプランニング・KATSUMIを立ち上げ、現在は同社取締役。社団法人日本照明家協会に所属し、「現場のスタッフやお客さんの万が一の時に我々が基本を知っていなければいけない」と、協会で救命講習を受けることを打診。自らも旭川と札幌で2度救命措置の講習を受けた。
「双葉から生協に向かって走っていたら、おじいちゃんが急に倒れて、徐行しながら様子を見ていたら起き上がらなかったので、すぐに駆け寄っておじいちゃんと声をかけた。ほっぺたを叩いても反応がなかったのですぐに手当てした。当時は無我夢中だった」と恥ずかしそうに表彰状を受け取っていた。