市民と意見交換 商大の一日教授会×マジプロ


kyoujukai-majipuro1.jpg 「第9回小樽商科大学一日教授会×マジプロ2010」が、12月5日(日)15:00~18:30、小樽経済センター(稲穂2)で開かれ、大学教授と学生、市民たちが3時間かけてじっくりと意見交換を行った。
 市民から大学に対する意見・要望を聞き商大と地域の絆を深める事を目的に毎年開催している「一日教授会」と、「商大生が小樽の活性化について本気で考えるプロジェクト(通称:マジプロ)」の最終報告会との合同開催。130名の市民や会社員、市役所職員などが参加した。
 9回目を迎えた第1部の「一日教授会」では、マジプロを含む「キャリア教育」をテーマに、大矢繁夫副学長が「商大におけるキャリア教育」、大津晶准教授が「地域活性化を目指したキャリア教育」について講演。
 山本眞樹夫学長は、「前回は学生の活動について関心が多く寄せられ、本日、一日教授会×マジプロ2010として合同開催することにしました。今日のテーマはキャリア教育だが、個々の学問に留まらず、学生諸君の応用力、全体を見渡す目を養うことが必要で、初代校長の考え方が復活しつつある。一日教授会で叱咤激励頂ければ嬉しい」と挨拶した。
 大矢副学長は、「キャリア教育は、通常職業教育と訳したくなるが、職業教育、職業指導は、大学でやらなくても良い、手取り足取りを教えなくて良いという声があるが、私達はもっと広い意味で捉えている。学生に、社会で必要な広いものの見方、深く考えること、高い志が必要になることをいち早く気づかせて、自発的に考える場を提供し、刺激を与えるものだろうと考えている。世代間を越えて、社会人や市民の方と接し影響を受けることが出来る」と述べた。
 大津准教授は、過去2年のマジプロの取組みを紹介しながら、「キャリア教育は、就職支援と連想された方が多いと思うが、そういうことではなく、究極には就職支援をしなくて良いキャリア教育をしなきゃを合言葉にしている。まさに自分の力で切り拓いてく力を身に付けるには、甘えさすタイプの支援は学生のためにはならないということで、様々なプログラムを用意している。
 マジプロという言葉が浸透してきており、小樽市から与えられた課題を学生目線で解決していくというもので、キャリア教育という観点からは、地域の資源を活用して実施する実践的なキャリア教育と位置づけている。2年目から学生の仕事を紹介するワークショップ形式での発表を行った。学生がアイディアを出して終わりでなく、市民の人たちと意見を出し合っていくということで実施した。本日もぜひ建設的な意見を頂き、学生にとって、地域にとって、益々効果の大きい活動になったら」と語った。
kyoujukai-majipuro2.jpg 第2部のマジプロ2010最終報告会では、38人の学生が半年間にわたって活動してきた成果を発表。今年度の課題は、「小樽築港エリア活性化プラン」、「中国・ロシアへの小樽PR戦略」、「小樽の中心市街地活性化」、「小樽の歴史的建造物の利活用」の4つ。
 学生たちは8グループに分かれ、フィールドワークやアンケート調査などを実施し、築港の活性化では「水上タクシー導入」と「小樽夜景強化プラン」、中国・ロシアへのPRでは「ロシア語買い物マップ製作」と「ショッピングバスの運行」の発想を提案。また、中心市街地活性化では「商店街メガクロスワード」と「夢プロジェクト」、歴史的建造物の利活用では「観光みやげ用紙袋製作」と「小学生対象の副教材制作」の実践的な提案を紹介した。
 参加者たちは、「中国観光客の対応として提案しているが、実際に小樽に来た観光客に話を聞いたのか」
 「日本に来る中国観光客は、日本でいう年収が500万円くらいで、団体ツアーじゃないと日本に入る資格が中々とれないのが現状だ。しかし、今後個人観光客を受け入れるためには色々準備しないといけないので、学生の提案はありがたい」
 「住む小樽と観光の小樽ではあまりにも違和感を感じる。歴史的建造物をただアピールするだけでなく、商業都市となった小樽の始まりの手宮の歴史に活路が見出せる気がする」
 「プレゼンテーションで、ナイトクルージングは事業性がないので限定開催出来るようにしたいという提案を聞くよりも、どうしたら出来るかを考えた上で発表することが必要。築港の活性化を考えるなら出来ることから考えていくことが必要」
 「ナイトクルージングを1日体験しただけで事業性がないと判断してしまったのか。許可の取り方、燃料費、整備費がどうなるから出来ないのか具体的な検討をするべき。今日発表した段階で出来ないと判断するのは早い」など、様々な声が寄せられた。中には厳しい意見も多く出され、商大生たちは熱心にメモを取っていた。
 今年度のマジプロの活動は、この最終報告会で終了となることから、市民からは、「参加者の意見を聞いた上で、来年度は、今回の提案を実行できるようにしてもらいたい」との意見が寄せられていた。
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