「盲導犬募金にご協力お願いします」。11月14日(日)、市内外の小学生35人が、築港のショッピング施設「ウイングベイ小樽」で、盲導犬の募金活動と目隠し歩行体験を実施した。
イオンチアーズクラブ小樽の社会貢献活動の一環。ポスフール小樽店の担当者がリーダーとなって、地域の小学生たちと共に、環境について体験学習をする。
今年度は、動物をテーマに、人間と盲導犬との関わりについてを勉強。盲導犬協会の施設を見学し、調教の様子や現在の盲導犬の頭数、盲導犬になるための適正・役割など、なぜ盲導犬が必要なのかを学び、ウイングベイ小樽内で募金活動を行ってきた。第一回は74,306円、第二回は112,789円が集まった。
今年最後の活動となった14日(日)は、総まとめとして「目の不自由な方の歩行は実際にどんなものか」をテーマに、盲導犬募金の呼びかけとともに目隠し歩行体験を実施した。
ポスフール小樽の築港駅側のエレベーターホール前に集まった子供たちは、募金や目隠し歩行体験の前に、盲導犬と生活をしている最上在住の本間俊三郎さん(64)と視覚障害者の妻・尤子さん(67)の講習を受けた。
尤子さんは、「私は、網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう)という難病を患っています。目が悪くなった原因が分からないため、治療の方法が分かりません。進行性のある病気です。ある時突然、左が見えなくなりました。右目が見えていたので失明をしていると知らず、何か変だなと思って病院に行ったら失明していることが分かりました。2年ぐらいして右目も突然失明しました。なんか暗いなと思っていたら失明していました。目が見えないのは非常に不自由です。非常に不自由ですが、不幸ではありません。家には、わんちゃんもいるし主人もいるし、決して不幸ではありません」と語った。
また、俊三郎さんは、「盲導犬は、北海道に70頭、小樽には2頭しかいません。僕からは皆さんにお願いが4つあります。盲導犬を街で見ても触らない で下さい。目と目を合わせないで下さい。主人を守るための仕事を忘れてしまいます。話しかけないで下さい。食べ物を与えないで下さい。北海道では盲導犬を1頭育てるのに300万円かかります。東京では物価が高いので500万円くらいです。皆さんの活躍は、私の奥さんを含めて視覚障害の方々のために本当に役立つものです」と訴えた。
この後、子供たちは、8班に分かれ、1班は歩行体験、7班は施設内での募金活動を行った。歩行体験は、3人1組で行い、盲導犬協会の講師の指導の下、順番に目隠しして盲導犬のハーネスを握り施設内を歩いた。盲導犬「サマー号」は、階段や自動ドアの前で主人の安全確保のためしっかりとサポート。目隠しをした子供は、点字ブロックを足で確認し、「サマー号OK」などの合図を送った。
最上小6年生の長澤萌さん(12)は、「目隠しをした状態は恐かったけれど、サマー号をとても信頼出来た。階段のところでは止まってくれたり、やさしく道を教えてくれた。少しの間だけど分かり合えた。目が不自由な人のために、盲導犬が増えて助けて欲しいと願っている」と話していた。
募金活動班は、エレベーターホールやポスフールレジカウンターなどで、募金箱を抱えながら、「盲導犬募金にご協力お願いします」と大きな声で呼びかけた。子供たちの懸命な姿に、買い物客たちは次々に募金していた。結果、この日だけで119,489円集まり、当初から目標としていた盲導犬1頭育てるために必要な 300万円の10%の306,584円を達成することが出来た。
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