小樽を描いた元新聞記者を追悼 文学館企画展


kobayashikinzo.jpg 市立小樽文学館(色内1)は、今年7月18日に死去したジャーナリスト・小説家・画家の小林金三氏(87)を追悼する企画展「ジャーナリストの肖像」を、11月13日(土)から12月26日(日)まで開催している。
 小林金三氏は、1923(大正12)年、北海道三笠市に生まれ、学徒出陣後、北海道新聞に入社。1973(昭和48)年に小樽に赴任。小樽の街のただずまい、家並みに魅せられ、多くの素描や水彩画を描いた。
 転勤後も、たびたび小樽を訪れ、家並みを描き続け、2008(平成20)年、絵画の代表作100点を同館に寄贈した。この年、同館では、小樽赴任中に描いたごく普通で日常的な小樽の街並の絵画を展示する企画展を開催した。関連記事
 この追悼展では、絵画38点・新聞記事34点・書籍5点の計77点を展示する。
 長橋2丁目の玉木とうふ店のスケッチには、「職人のいる街・小樽でもある。二軒並ぶ古い家並みは、数えるほどしかなくなった。古きを温めるのにも孤立はさけられないものであるらしい」。
 立正佼成会裏の旧倉庫の水彩画には、「この建物の正面は余りにも有名な元海産問屋の豪邸である。しかし大仰にすぎて好きになれない。裏にまわって初めて描く気になった」などとつづった文章を添えている。
 文章と小樽を描いたスケッチを通し、平和を願い、地方を尊重したジャーナリストの足跡が紹介されている。