小樽雪あかりの路 メイン会場縮小を検討


yukiakariungaB.JPG 来年2月4日(金)から13日(日)までの10日間で開催する「小樽雪あかりの路」で、同実行委員会内部の検討委員会が、予算縮減のためにメインの運河会場を縮小することを検討している。同検討委の各部会では概ね了承を得ており、12月に開く実行委員会で正式に提案される。
 雪あかりの路は、1999(平成11)年から市民有志によって始まったイベント。運河(浅草橋~竜宮橋)と手宮線(中央通~日銀通)をメインに、ロウソクの灯りで小樽の冬を幻想的に演出する。
 運河会場は、浅草橋~中央橋のA会場(300m)と中央橋~竜宮橋B会場(200m)の2区間の水面に計400個の浮き玉キャンドルを浮かべ、散策路にはスノーオブジェを設置する。手宮線会場は、中央通から日銀通りまでにスノーキャンドルやオブジェを飾り、柔らかな灯りをともす。市内をはじめ、市外、道外、海外など多くのボランティアの支えによって手作りの温もりあるイベントとして人気を集めている。メイン会場
 市内の町内会や学校などでも、各地に「あかりの路」会場をつくり、ロウソクの灯りの広がりを見せている。
 2006(平成18)年には「第10回ふるさとイベント大賞」、2007(平成19)年には「第2回JTB交流文化賞」最優秀賞を受賞。今年度は、国土交通省「地域づくり表彰」で特別賞「日本政策投資銀行賞」にも選ばれた。
 冬の小樽を代表するイベントに成長したものの、昨年は153万5,387円、一昨年は106万9,113円の赤字となり、これまで積み立てた繰越金は141万円に減少し、不景気による広告・協賛金減や雪入れ・業者による会場設営などの歳出増で財政問題に苦慮している。
 このため、同実行委では、「2年連続で赤字を計上したので、協賛金の収入増も見込めない中で、次回はなんとか50万円ぐらいの繰越金を残せないか」と予算縮減を検討してきた。
 この方策として、運河A会場よりも来場者数が極端に少ない運河B会場を廃止する方向で検討に入った。浮き玉キャンドルの設置と雪入れを中止するなどして約 100万円程度の歳出減が見込める。これにより、昨年・一昨年と、運河会場Bを担当してきた韓国ボランティア「OKOVO」を手宮線会場に回し、業者による会場設営を、若いボランティアの力による手作りの会場に変更することで、さらに歳出減を図るという。
 「運河のB会場をなくして(財政的に)身の丈にあった祭りにしたい。昔は周辺にある雪でオブジェやスノーキャンドルを作っていた。少雪で街には雪がないのに、雪あかりの路の会場には雪があるような、札幌雪まつりのようなイベントにはしたくない」(小樽市観光振興室・佐藤誠一室長)。
 「大筋で運河B会場を廃止することで了承を得た。手宮線には人手が足りないので、充実したものを作りたいと思う。運河A会場と手宮線に集中して良いものを作りたい。近年の少雪で雪入れを行ってきたが、そこにある雪でオブジェを作って手作りの温かい祭りとして人気があるのに、業者に頼って雪を入れて会場づくりをしてきたが、お金をかけないで良い祭りにしたい」(広谷昭検討委員長)としている。また、手宮線会場のシンボルとなった長さ約20mスノートンネルも、予算縮減のために2m縮めることも検討している。
 この会場縮小案には、「市内に雪あかりを広げたいと言っているのにメイン会場を縮減するのは本末転倒な気もする」との意見もあり、検討委員会では概ね了承を得たものの、12月に開く実行委員会までに最終調整が行われる。
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