小樽市病院局がまとめた新市立病院の平面プラン(案)が、22日(月)に明らかになった。
同平面プラン(案)では、新病院の配置計画、1階～7階、地下1階の概要とともに、断面構成図を示している。
新病院の配置計画では、1階メインエントランスを、量徳小学校と同じく市道住吉線を前面にして国道寄りに配置。車寄せやタクシー待機、車いす用駐車スペース、駐車場を設ける。救急動線は、メインアプローチとの交差を避けるためJR側に設置する。量徳小の記憶を残すメモリアルガーデンを国道側の敷地に整備する。
1階は、外来患者の利便性を最優先にと、外来･救急･放射線･検査･内視鏡を1階に集約して配置する。このほか、患者サービスセンター、投薬カウンターを設置。2階は、講堂や売店、リハビリ･透析･精神デイケア･手術･ICU(集中治療室)、医局･事務室。3階から6階はコの字型の病棟で、各階に2病棟を配置。7階の最上階に、1病棟、健診部門･喫茶･レストラン。屋上にヘリポートを設ける。地下1階には、特殊放射線･薬剤･給食･洗濯リネン･院内保育所などを確保する。
市病院局では、「建設コストを考慮した整形･コンパクトな平面計画とします。今後は、この案を基に詳細な設計を行っていくことになるが、その過程において、平面プランが変更になることがある」としている。
平面プラン(案)とともに、新病院建設工事等の発注方法について、A4の紙3枚で考え方を示した。
発注形態についての検討として、設計･施工一体発注、設計･施工分離発注の2通りを今後選択可能なものとし、CM方式･PFI方式･二段階発注方式は現時点では選択肢にならないものと挙げた。
設計･施工一体発注の特徴については、「設計と施工を一元化することにより、施工者の固有技術やノウハウを活かし現場条件に適した合理的な設計が可能だが、設計と施工を分離して発注した場合と比べて、施工者側に偏った設計となりやすく、設計者や発注者のチェック機能が働きにくい」とまとめた。事例として、町立三春病院(86床)、上野原市民病院(135床)、共立湊病院(154床)の3自治体病院を挙げ、詳細を検討するとした。
設計･施工分離発注は、「実施設計と施工を分離することにより、基本設計の考え方が正確に実施設計に反映され、また、工事監理についても分離して発注を行うことで工事施工へのチェック機能も確保される。施工(建設工事)については、建築、機械、電気工事の一体発注と、それぞれの工事を分離して発注する方法がある」とまとめた。事例に、砂川市立病院(新築分418床)、滝川市立病院(318床)、国立病院機構北海道医療センター(500床)を挙げ、これも詳細を検討するとした。
選択肢にならないとしたCM方式については、「基本設計を進めている段階であり、現時点からの導入では経済的な効果に疑問があることや、完了実績のある参考事例が少ない」。PFI方式は、「現時点からの導入は馴染まない」。二段階発注方式は、「業務を進めている段階のため、原則同じ方式は採用できない。完了実績のある参考事例がない」との理由で採用しないと決めた。
これの発注形態の検討から出した発注方法について、設計･施工一体発注は、「設計の段階で施工者の意向を取り入れるため、設計･施工の分離発注に比べ低額となる傾向」とするが、「市内業者の入札への参加が出来ない」、「工区分け困難」とした。
設計･施工分離発注は、「建設工事は建築･機械･電気工事費等の一体発注」と「建設工事も建築、機械、電気工事等の分離発注」した場合の2パターンを示した。
建設工事一体発注は、「工事設計額は、分離発注にするよりも諸経費が低減される。受注額は、競争入札による結果であり比較は難しいが、分離発注よりも低額になる傾向」。建設工事分離発注は、「工事設計額は、一体発注に比べ諸経費が増額となる。受注額は、競争入札の結果であり比較は難しいが、一体発注よりも増額になる傾向」で、どちらも、JV(共同企業体)の構成員は地元業者であることなどの別途条件を指定する方法がある。「工区分け可能」とするものの、「経済性で不利となること及び区分線上の施工責任が曖昧となるなど課題がある」とした。
今後、「発注の形態、入札等の方法、入札等への参加者、参加条件の組み合せを検討し、決定する」という。
現在の新病院計画は総額148億7,300万円(建設工事96億300万円･1平米33万円･総床面積29,100平米)で、起債(借金)の利息を合わせた元利償還額は193億6,900万円にもなる。起債(借金)許可には、2010(平成22)年度で11億6,303万8,000円の不良債務を解消し、 2013(平成25)年度までに31億 9,044万円の資金不足額を解消することが条件となっている。関連記事１ 関連記事2
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