市長被告の住民訴訟で原告敗訴 札幌地裁で判決


 小樽市が進めた新病院の建設中断で基本設計料2,581万円を支払ったのは違法・不当なもので市長にこれを返還せよと求めた、小樽市長被告の住民訴訟の判決言渡 が、11月11日(木)13:20に札幌地裁701号法廷で行われた。橋詰均裁判長は、「原告の請求を棄却する」と判決を言渡した。
 この住民訴訟は、稲穂在住の松浦光紀さん(64)が、2008(平成20)年10月3日に市への住民監査請求が棄却されたことから、同月28日に札幌地裁に提訴した。同年12月に第1回口頭弁論が開かれ、これまで2年間にわたって口頭弁論が行われ、8月26日に結審していた。
 この判決を受けて松浦氏は、「敗訴となったことは残念なことで、私たちの訴訟に対する思いが裁判官に理解されなかったということだ。どこの部分をどう理解されなかったのかは、判決文を読んでみないとわからない。
 私たちは今回の裁判では、市民正義に基づいて訴訟を進めてきたと思っている。それが裁判官に理解されなかったのであるならば、 その理解を得るために再度チャレンジすることも考える。市は、現在同じような手法で同じようなことをやっており、再び市民の税金が無駄になる可能性が大きい。いずれにしろ今回の訴訟で、貧乏な市が豪華な病院をつくることの是非を訴えることが出来た。
 新病院の建設については、地域・市民と協働してやっていくことが基本なのに、小樽市長の一存で、大金を一度ならず二度までも捨ててよいのか。犠牲になるのは再び小樽市民だけだ。小樽市民は黙っていないことを、今回知らしめた事実に意義がある。住民訴訟では勝訴の確率は極めて低いと思っていたが、問題点を明らかにして良い方向にもっていきたいと思ってい た。しかし、裁判所に理解されなかったのは残念であり、判決文を詳しく検討し控訴するかどうかを早急に検討したい」と話した。
 これに対し、山田市長は、「原告の請求が棄却されたと聞いておりますが、本件は、議会手続きも経て適切に行ってきたもので、本市の主張が認められたものと考えております」とコメントを出した。
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