小樽市は、2009(平成21)年度病院事業会計の決算が確定したことを受け、改革プランの進捗状況を検証する「小樽市立病院経営改革評価委員会」を11月に設置することを決めた。委員会メンバーは、小樽商大学商学部教授や北大大学院医学研究科医師、医師会理事などが選任される見込みとなった。
市が10月27日(水)に発表した「平成21年度決算審査等意見書」の病院事業会計意見書によると、小樽病院は入院外来ともに減少傾向が続き、決算額を予算額と比較すると、収入は1億1,063万円の減収となった。
入院患者数は、小樽病院が56,843人で、前年度の69,830人より12,987人・18.6%減少。医療センター(旧ニ病)が67,199人で、前年度の67,149人より50人・0.1%増加した。
外来患者数は、小樽病院が106,667人で、前年度の119,442人より12,775人・10.7%減少。医療センターが60,942人で、前年度の65,102人より4,160人・6.4%の減となった。
患者数は、医療センターは2007(平成19)年度以降、下げ止まりの傾向が見られるが、小樽病院は、相変わらず入院外来ともに減少傾向が続いている。
予算の執行状況では、病院事業収益は、予算額77億2,363万5,000円のところ決算額が76億3,701万3,630円となり、対予算増減額は8,662万1,370円のマイナスとなった。
これは、「決算額を予算額と比較すると、収入は110,635千円の減収となりました。その主な理由は、医業収益の公衆衛生活動収益で11,212千円、医業外収益の他会計負担金で72,947千円、特別利益の他会計補助金で9,203千円それぞれ増収となりましたが、医業収益の入院収益で61,761千円、外来収益で28,558千円、医業外収益の他会計補助金で80,094千円、特別利益の過年度損益修正益で19,948千円それぞれ減収となったためです」としている。
「病院事業会計決算の概要は前述のとおりですが、本年度は、経営形態の見直しとして地方公営企業法の全部適用を導入し、新たに就任された病院事業管理者の下、収益の確保に向け形成外科外来を開設するなど診療体制の充実を図るとともに、医療情報システムの導入や券売機を活用したプチ健診を実施するなど、患者サービスの向上に努められたことがうかがえます。
本年度の経営成績を見ると、損益収支は医業収益が落ち込む状況の中、給与費や材料費等の削減や一般会計からの繰入金の増加などの効果により、純利益を計上する結果となっていますが、患者数の減少になかなか歯止めがかからない状況を考えると、病院経営の根幹となる医業収支は、今後も医業収益が医業費用を下回る厳しい状況が続くものと予測されます。
病院事業を取り巻く環境がより厳しさを増している中、今後も、職員一丸となって、高度医療の推進と良質で安全な医療サービスの提供に努められることはもとより、小樽市立病院改革プランに掲げられた取組項目を着実に実行し、経営の早期健全化に向け一層努力されますことを切に望むものです」と意見が出されている。こちら
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