公開が原則 「病院経営改革評価委員会」設置要綱が明らかに


 小樽市立病院改革プランの進捗状況を客観的に評価するための「小樽市立病院経営改革評価委員会」の設置要綱(案)がこのほど明らかになった。 
 全国各地で破綻が相次いだ公立病院の改革のために、総務省は、2007(平成19)年7月に「公立病院改革懇談会」(長隆座長)を設置し、2007(平成19)年12月に「公立病院改革ガイドライン」を公表。公立病院を運営する地方自治体に対し、2008(平成20)年度内に『公立病院改革プラン』を策定し、病院事業経営の改革に総合的に取り組むよう要請した。
 これを受け、小樽市でも改革プラン策定に努め、2009(平成21)年1月に「小樽市立病院改革プラン」を決定した。改革ガイドラインでは、この改革プランの実施状況の点検・評価・公表と 積極的な情報開示を求めていた。
 このほど明らかになった同委員会の10条からなる設置要綱(案)では、目的として「小樽市立病院改革プランの進捗状況を客観的に評価することにより、改革プランの着実な推進及び病院事業の経営改善に資すること」とし、委員は、学識経験者・市内各種団体の代表者・病院事業管理者が必要と認めるものなど、8名以内で組織し、会議は原則として公開することなどを規定。病院局は、委員会の提言を尊重しなければならないとしている。
 今回の「小樽市立病院経営改革評価委員会」の設置は、総務省の改革ガイドラインの規定に沿ったもので、11月にも初会合が開かれる予定となった。
 なお、現在、委員には7名が予定されている。病院局では、小樽商科大学商学部教授・伊藤一、北海道大学大学院医学研究科助教・中村利仁、札幌医科大学理事・白崎賢治、中村記念病院理事長・中村博彦の4氏のほか、小樽市医師会、小樽商工会議所、小樽消費者協会の3団体に委員の推薦を求めている。
 市立新病院建設で、中断を含め、迷走に次ぐ迷走を重ねている山田勝麿市長が作った病院改革プランとその進捗状況を、外部有識者の委員たちが、どのように客観的に判断するかが、極めて注目されることとなった。
 『総務省病院改革ガイドライン』からの抜粋
第3 公立病院改革プランの実施状況の点検・評価・公表
1 地方公共団体における点検・評価・公表関係地方公共団体は、当ガイドラインを踏まえ策定した改革プランを住民に対して速やかに公表するとともに、その実施状況をおおむね年1回以上点検・評価を行うこととし、評価の過程においては例えば有識者や地域住民等の参加を得て設置した委員会等に諮問するなどにより、評価の客観性を確保する必要がある。この場合、この委員会等においては単に財務内容の改善に係る数値目標の達成状況のみならず、例えば、当該病院の医師、看護師等の参加を求めて、公立病院として期待される医療機能の発揮の状況等についても併せて評価、検証することが望ましい。
2 積極的な情報開示関係地方公共団体は、前項の点検・評価・公表に際し、立地条件や病床規模が類似した他の公立病院や地域の民間病院等における状況等を併せて明らかにするなど、当該公立病院の現状について住民が理解・評価しやすいよう、積極的な情報開示に努めるものとする。また、前項の有識者等による委員会等の審議状況などについても報道機関に積極的に公開するなど、住民の関心をできる限り高める工夫を凝らすことが必要で
ある。
3 改革プランの改定
関係地方公共団体は、前項の点検・評価等の結果、改革プラン対象期間のうち遅くとも2年間が経過した時点において、改革プランで掲げた経営指標に係る数値目標の達成が著しく困難であると認めるときは、改革プランの全体を抜本的に見直し、経営形態の更なる見直しも含め、その全面的な改定を行うことが適当である。
4 総務省における取組総務省は関係地方公共団体の協力を得て、公立病院改革プランの策定状況及び実施状況をおおむね年1回以上全国調査し、その結果を公表する。