「医療崩壊のウソとホント」の著者で知られる本田宏医師(埼玉県済生会栗橋病院副院長)の講演会「地域医療崩の深層と再生への処方箋」が、9月17日 (金)18:30~20:30、市民センター・マリンホール(色内2)で開かれた。
済生会小樽病院(梅ケ枝町8・近藤真章院長)の主催。日本の医療問題を訴える講演活動を精力的に行う本田医師を小樽に招き、市民とともに医療・日本再生を考えることを目的としている。
講演会には、市民をはじめ、医療関係者、市役所職員、市議会議員など約300人が訪れた。
本田医師は、日本の医療の歴史を紹介し、「日本は世界の経済大国だが医療費は先進国中最低、国民自己負担は世界最高、その上、薬剤や医療機器は世界一高い国家となった。自然分娩では、日本は30万円から50万円だが、アメリカは400万円の医療費、胃がんは日本は4週間で120万円しか病院に入らない。ハイブリッドカーは200万円でさらに補助金が入るのに。これが日本の医療。医療費抑制の末、命の値段は下がるばかり。役人は、公共事業が下がり、社会保障は上がっているから医療費削減 すると言っているが、公共事業が高すぎただけで、情報操作にだまされるな」と、日本の医療崩壊の原因を訴えた。会場は、本田氏の軽妙な語り口に終始笑いが絶えなかった。
最後に、小樽の医療について、「小樽地区は全国で稀な地区だと思う。小樽は有名なんですよ。ピンチはチャンスで、有名じゃないと無駄遣いはいくらでもあるが、小樽は有名。私の知っているところは、大抵、税金が余っているところはない。税金をどう使ったら良いか考えることが出来る。デンマー クのように福祉も考える、病院だけ作ってもだめで、次にいく福祉のことも考えるべき。医療、福祉、介護をちゃんと作れば、小樽は観光もあるし、世界から、小樽を見に行こうとなる。みんなで小樽を良い街に作ろう、年取っても安心出来る街、若い人も働けるようにしようと考えるチャンスです。みんなに注目されているから。普通は、何も考えないでお上の言うようになってしまう。ピンチはチャンス。みんなで話し合って知恵を出し合う。こういう地域ではないと動きにくい」と呼びかけた。