市民の陳情「市議会議員定数4減」 自・公・共・民市が不採択


 小樽市民から提出された市議会議員定数を現行の28を24に4減する陳情が、9月28日(火)に開かれた市議会第3回定例会の議員定数に関する特別委員会(成田晃司委員長)で審議され、この結果、自民・公明・共産・民主市民の4会派の反対によって不採択となった。
 陳情は、市内の酒店経営者・赤坂勝さんが658名の署名とともに提出した。9月28日現在、署名は790筆に上る。
 同特別委は、自民2(横田久俊・井川浩子議員)、公明2(斉藤陽一良・千葉美幸議員)、共産2(北野義紀・菊地葉子議員)、民主市民1(山口保議員)、平成会1(吹田友三郎議員)の8人と委員長で構成されている。
 冒頭、赤坂さんは、「来年4月の統一地方選を念頭においての陳情で、次の選挙に間に合わないとは思わない。市民の署名は650名から約800名分に増え、そっぽ向くことは出来ない。議案に対する争点が乏しく、質問の数も少ない。議論に深みもなく、早々に委員会が終了する。4つある委員会を3つにする必要もあるのではないか」と陳情の趣旨を述べた。
 これに対し、自民党は、「定数4減、委員会1減を現時点で議会の意思とすることは議論不足であるとの認識です。しかし、我が党は今後も現行の定数で良しとするものではありません。来春の市議選は現行定数28人での実施を方針としますが、次々回の平成27年の市議選では、各種の検討事項を十分に議論し、定数削減を視野に入れた行動をしていきたい」(横田議員)と不採択を主張。
 公明党は、「小樽市の8月末での人口13万3,350人に対し、議員一人あたりは4,762人となっている。我が党がメドとしている議員一人あたり 5,000人と大きく乖離していない。24人に削減した場合、議員一人あたり5,556.25人で、昭和38年の5,169人を超える過去に例のないレベルとなる。今後の人口減少を含め次期選挙後に引き継ぐ」(斉藤議員)と不採択。
 民主市民連合は、「市民が議会に不信を持っているから陳情が提出された。単に減らせば不信を払拭出来るものではなく、質が求められている。定数を減らすことは逆に不信を持たせる結果になりかねない。議員定数は議会で基準を決める必要がある」(山口議員)と不採択。
 共産党は、「人口が減り続けるからという一面からのみ議員定数を論ずることは地域の均衡ある適性な行政、住民の要求に即応した行政の確保の保証が出来ず、最終的には住民がリスクを負うことになる。市民の声を市政に公正に反映させる役割が必要」(菊地・北野議員)と不採択。
 平成会は、「議員定数が多く定数削減をすべきであるという市民感情は強いものがあります。市民としての願意が定数削減であるとの陳情主旨に賛成する」(吹田議員)と採択を主張したが、結局、陳情は、賛成少数で不採択となった。
 この日の議論では、採択とした平成会が、「4減は妥当であると判断した」と主張するものの、不採択を主張する4会派から、「4減の根拠がなく議論になるものか」、「機能していない委員会と言われたのは、陳情に賛成する平成会の代表が委員長を務めていたが、それでも陳情に賛成するのか」などの質問が出された。議論は、全く噛み合うことなく平行線を辿った。傍聴に来ていた約20人程度の市民たちも、この議論の途中で一斉に退席する一幕も見られた。
 関連記事