老舗「いろは堂書店」 9/12に閉店し外商専門へ


irohadou.jpg JR小樽駅前の長崎屋小樽店内にある97年の歴史を持つ老舗書店「いろは堂書店」(稲穂2・清水人司代表取締役社長)が、9月12日(日)に現店舗を閉店し、13日(月)から外商専門業者に業態変更することが8月24日(火)に分かった。
 同店は、小樽で最初に本を売った近江堂からのれん分けで独立した清水松太郎氏が、1913(大正2)年に現在の駅前第3ビルの敷地で開店した「まちの本屋」。1974(昭和49)年からは、長崎屋小樽店の現在のテナントスペースに移った。
 昨年から店舗の改装を検討していたが、近年の大型店舗の増加や、インターネット通販、少子高齢化、小樽の経済不況などの影響を考えた結果、改装しても採算が合わないと判断し、9月12日(日)に店舗を閉鎖することを決めた。
 「いろは堂の名前を残すことを考え、この店の理念の『出版物で地域文化の向上と青少年の育成』を守るためには、地元の本屋を無くすわけにはいかないと思った。本屋は店を構えて売るもんだと思っていたが、店がなくても、小樽の場合は、本屋に来れないお年寄りがたくさんいるので、その方たちの便利な本屋になることを決めた」(清水代表取締役社長)と、閉店後の13日(月)からは外商専門業者として、配達及び電話取り寄せを行う。
 都通り商店街と静屋通りの間にある稲穂2の自社倉庫を改装して事務所を置き、新たにスタートする。これに伴い、社名・組織もこれまでの「有限会社いろは堂書店」から「株式会社本のイロハ堂」に変更する。電話番号0134-33-8264、FAX0134-23-8264は変わらない。
 市内では、いろは堂書店と同じく、近江堂から独立した「まちの本屋」の丸文書店があったが、大型店やコンビニ、インターネット通販に押され、2009(平成21)年5月に廃業した。小樽の老舗書店の廃業・撤退に対し、なじみの本屋がなくなるのは寂しいなどの声が上がっている。
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 第18話  小樽のまちの本屋さん(広報おたる平成19年12月号掲載)