過疎地小樽に148億円の豪華病院!起債は不透明


 人口減少が続き、今年度4月からついに過疎地入りした小樽市の山田勝麿市長は、一度頓挫して中断に追い込まれた新市立病院建設を、建設場所を築港地区から量徳小に変え、再び、基本設計を発注し、148億円もの巨額な豪華病院建設に邁進中だ。
 しかし、その建設費として、当てにする過疎債と病院債の起債許可の見通しは、全く不透明なままで、建設計画だけが一人歩きを始めている。広報おたる8月号で、市は、「新市立病院計画概要」を市民に知らせた。
 市立二病院(市立小樽病院、小樽市立脳・循環器・こころの医療センター)を統合し、新市立病院を量徳小敷地と小樽病院現在地に、建設工事費96億円、総額 148億7,300万円で建設するという大風呂敷を広げている。
 しかし、この建設財源は起債という借金頼りで、30年かけて償還するとしている。山田市長3期12年の最終年に差し掛かっているが、病院そのもの実体は何も出来ておらず、すでに公約違反が明らかになっている。
 前回の築港地区での新病院建設は156億円、今回が148億円で、豪華病院のままでで通している。前回、道庁との起債協議で市が提出した「公営企業経営健全化計画」の数値があまりに杜撰で、再々提出を余儀なくされた。道からは「ばふっとしたおおまかな収支計画を担保に道として判断出来るか」と突き返され、門前払いで起債に頓挫した経過がある。
 今回も起債の行方に、小樽の病院関係者も注目している。小樽の病院問題に終始一貫して追い続けている長隆氏(元総務省公立病院改革懇談会座長)は、8月5日 5:56付のツイッター(takashiosa)で、「小樽市立病院新築起債が認められない理由1.選択と集中,再編無視2.ガイドラインに即した改革目標数値達成無理3.過疎地に相応しい質素な計画で無く豪華病院4.過疎債が半額だが極端に有利なので道庁の審査は厳しい、前回門前払いしているので成る程という計画でなければならない!」として、起債が厳しいとのコメントを出している。
 山田市長の今回の建設計画もアドバルーンのまま、前回と同様に途中で壊れて破綻する可能性が極めて大きい。山田市長の独断専行に、再び、振り回されるのは、医療関係者と市民ばかりだ。
 過疎地小樽に148億円もの豪華病院が必要か、果たして起債が得られるのかは、全く不透明のまま、前回同様に基本設計の発注が強行された。この妥当性については、現在、札幌地裁で住民訴訟が起こされており、8月末には結審の予定だ。市民の心配をよそに、残り任期わずかになった山田市長の揚げた大きなアドバルーンが、行方定まらずに、ユラリユラリと小樽の街を彷徨っている。
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