日本初の小樽産エコ長靴「イークルー」(第一ゴム株式会社)が、最近、知名度を上げている。道内をはじめ四国や東北などの官公庁から注文が増え、全国各地に製品が出回っている。
第一ゴム株式会社(奥沢3・浜村光久代表取締役社長)は、1935(昭和10)年創立。ゴムと合成樹脂の製品を製造販売している。5年ほど前に、市内企業から廃タイヤの再利用について提案を受け、エコ長靴の開発を始めた。
「ちきゅうにやさしいエコマーク」(財団法人日本環境協会エコマーク事務局)の認定基準には、これまで長靴の項目はなかった。このため、同社では、商品の開発と同時に同事務局と交渉し、長靴のための新たな認定基準を作った。
長靴は、ゴムで出てきているが、タイヤのゴムとは性質が違い、リサイクルの廃タイヤの量が多すぎると、出来上がった製品が固くなってしまうことから、開発には2年かかった。
日本初として誕生した小樽産エコ長靴「イークルー」は、廃タイヤの常温粉砕による微粉ゴムを約30%使用。作業用、一般用、通年様、防寒用など5種類。一足5,800円から10,700円。2007(平成19)年にエコマークの認定を受け、2008(平成20)年から販売を開始した。当初、一般向けの量販店では受注がないと見込み、官公庁への納入だけに留まっていた。
エコ商品の情報サイト「グリーンステーション」で取り上げられたことにより、同製品の知名度が上がり、全国各地の官公庁への納入が増加した。また、同じ奥沢にあり、官公庁への製品納入を行う有限会社木保商事(奥沢3・木保昭代表取締役社長)とタッグを組み、新たな販路拡大に成功し、全国各地に小樽産のエコ長靴が出回ることになった。
エコ長靴の知名度が上がったことを受け、第一ゴムでは、一般向けの販売も強化しようと、8月2日(月)からネット販売も開始。「日本で国産の長靴を製造している会社は4社しかなく、最近では、国産でエコな長靴を求めるお客さんが増えている。この要望に応えるため、日本全国で販売出来るラインを形づくりたかった」(営業部・村上孝之部長代理)。こちら
また、市内では、同じ奥沢にあるゴム長靴メーカー・株式会社ミツウマも、エコマーク商品の認定を受けたエコ長靴「エコステップ」を開発し販売していたが、現在は長靴の製造をストップ。新たに工業用エコ製品の開発を進めている。
環境問題がクローズアップされる中、小樽の奥沢にあるゴム製品工場2社が、それぞれの得意分野でエコ商品の製造販売に力を入れている。
◎第一ゴム株式会社
◎株式会社ミツウマ