市議会と建設業界 新病院問題などで意見交換


sigikai-kensetu.jpg 小樽市議会(見楚谷登志議長)は、8月27日(金)13:30から、市役所別館第2委員会室で第4回議会報告・意見交換会を開いた。
 この報告会・意見交換会は、市議会活性化検討会議(佐野治男座長)で開催することを決め、4回目の開催となった。今回は、小樽建設事業協会(中野豊会長)や小樽電設会(加藤正幸会長)、小樽管設備工業協会(平口山謙一会長)などを建設関係者を対象に開き、公共工事の今後の方向性や市内経済の活性化などについて報告し、意見交換を行った。
 意見交換では、市が進める新市立病院問題が大きく取り上げられた。小樽建設事業協会の中野会長は、「政権交代で公共工事が削減され、小樽・後志は昨年と比べ50%の事業費になっている。小樽の場合、国の交付金のおかげで食いつないでいる。この交付金がなくなると我々は生きる道がなくなる。裁判所も地方合同庁舎も、市が地域で工事発注出来るように働きかけてくれたが、市外の業者が落札して、市内の業者が入る余地がなかった。ただこの建物を使うのは小樽市民の我々で、新市立病院の建設では、こんな風にないがしろにして欲しくない」と要望。
 自民党・鈴木喜明議員は、「新病院は、地元で発注してもらいたい立場。一括発注で市内の業者ではないとろこに持っていかれた場合、小樽には波及効果が見込めないだろうと懸念している。必ず地元で発注して頂くよう要望する」
 共産党・北野義紀議員は、「間違いなく地元参加出来るものと思っているので、要望していく。必要な額が高くなっても、東京や札幌に吸い上げられることを見過ごすことは出来ない」
 公明党・高橋克幸議員は、「発注仕様書が大きなテーマで、JV方法、分離発注、工区分けなど、何らかの関係で地元の業者が参加出来るようにしたい」
 民主党・市民連合・斎藤博行議員は、「建主の小樽市の意向は、地元に配慮することが当然。工区の分割も道内でやったと聞いているので、色々研究しなければならない。市民の税金でやる事業なので、負債の問題もある事実も考えなければいけない」
 平成会・吹田友三郎議員は、「地元発注でやるのが当然。建設にかかる費用が大事。病院の負債を小さくするのが市民の願い」と述べた。
 この公共事業や歴史的建造物の活用などについても議論が交わされた。
 市議会は、市長とともに148億円もの豪華な新病院建設を推進しているが、その建設の実現性についてはまだ極めて不透明だ。新病院建設のためには、国の起債許可が必要だが、基本設計を発注したものの、まだ見通しは何ら立っていない。この中で建設業者と事業の発注について論議しているのは、取らぬ狸の皮算用となる可能性が大きい。
 新病院の規模については、小樽市医師会からも「コンパクトで安価な計画にすべき」と見直しの要請がされており、新病院がどのような形で納まるのかは、まだ今後の議論に委ねられている。
 市が、当初の目的の通りに建設出来るかは極めて疑問のところで、築港地区での失敗の二の舞を量徳小敷地でも再現する可能が極めて高い。この建設業界との話し合い通りにいくか、先の見通しは決して明るくない。