手作りのロケットを発射する「小樽アポロ計画」が、8月6日(金)・7日(土)の2日間、朝里クラッセホテルと朝里スキー場(朝里川温泉2)で行われている。
参加した大人も子供も、紙とプラスチックで一からロケットを作り、小樽の青空に打ち上げ、宇宙開発への大きな夢を広げている。
「小樽にある閉塞感をロケットのように吹き飛ばしたい」と、2008(平成20)年からスタート。3年目の今年は、小樽や札幌などの道内と東京から75人が参加した。
初日の6日(金)は、北海道で宇宙ロケット開発に携わっている株式会社植松電気の植松努専務取締役の講演とミニロケット作り。植松さんは、講演で「僕が宇宙開発するのは、どうせ無理という言葉をなくしたいから。今日からみんなが宇宙開発をする人になる。失敗は誰かのせいにしたらだめ。なんで、だったらこうしてみたらを考えてみよう」と子供たちに呼びかけた。
ミニロケット作りは、植松さんが開発した紙とプラスチックで出来るキット「ALPHA4モデルロケット」を使用。小さな子供も説明書を読んで、一人で挑戦。講演の影響か、「出来ない」、「分からない」の言葉は一切なく、大人も子供もそれぞれがロケットづくりに取り組んだ。完成したミニロケットは、長さ 30cm・直径3cm。
打ち上げは、4つの発射台を使用し、「3、2、1」の合図で、参加者がスイッチを押し、一斉にミニロケットを小樽の空へ放った。長さ30cmの小さなロケットだが、秒速60mで上空70~80mまで一瞬で上がり、「おお」、「すごい」と歓声が上がった。その後、パラシュートが開き、発射地点までヒラヒラと降り、子供たちは、自分が作り上げたミニロケットをキャッチするため、懸命に走り回った。
この日の最高気温は34℃。今年一番の暑さとなり、参加者たちは汗を流しながら、「小樽アポロ計画」の宇宙開発に懸命に取り組んでいた。
市内天神の中野鼓太くん(7)は、「ロケットを作るのは大変だったけれど、ちゃんと飛んで嬉しかった。ヒューンという音に驚いたけど感動した」。札幌の畠山歩夢くん(7)は、「ばっちり飛んだ。早くて驚いた」と喜んでいた。
同ホテルの前川勝美支配人は、「これからは宇宙開発で、ロケットを発射出来るのは北海道が最適という。我々も、昨年、ミニロケットと、クラフトで作ったロケットを実際に作り、飛ばした。感動した。子供たちにぜひ体験してもらいたい」と、子供たちを見つめていた。
2日目は、長さ1m・直径20cmの”巨大ロケット”を作り、小樽の空に打ち上げる。
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