「圏域共生ビジョン懇談会」始まる 北しりべし「定住自立圏構想」


kyousei.JPG 定住自立圏形成協定の内容を具体化するための「共生ビジョン」策定の懇談会が、7月5日(月)にスタートした。
 北しりべしの「定住自立圏構想」は、小樽市が「中心市」となって、余市・仁木・古平・積丹の4町と赤井川村とネットワークをつくり、福祉・医療、教育、文化・スポーツ・娯楽、産業、生活、交通機能、広域施設などの分野で、連携を図る。中心市の小樽市には4,000万円、周辺町村には各1,000万円の国からの財政支援が得られる。
 「圏域共生ビジョン懇談会」では、学識・医療・福祉・産業振興・観光などの経験者、各町村の農業協同組合の組合長、観光協会、商工会議所の担当者など18 人が委員に選ばれた。この中から、国立大学法人小樽商科大学・ビジネス創造センターの澤田芳郎教授が会長に選出された。副会長は、小樽商工会議所・企画政策委員会の斎田義孝委員長。
 第1回懇談会では、事務局(小樽市企画政策室)から、「定住自立圏構想」の概要、共生ビジョンの素案の説明がなされた。共生ビジョン素案は、A4の44ページ。これまでの取り組み、ビジョンの目的、期間、園域の概況と課題、将来像などが盛り込まれている。
 共生ビジョンの目的は、「圏域全体の活性化や利便性の向上を図るために推進する具体的な取組等を明らかにするもの」。期間は、2010(平成22)年度から2014(平成26)年度までの5年間。
 生活機能の強化に係る政策分野の医療では、初期救急医療体制の維持・確保事業を示した。小樽市、余市町が、医師会に委託している在宅当番医制の維持や、小児の重症救急患者の医療を確保するために、必要な支援を行う。また、すでに議会で議決を得ている周産期医療体制維持のための協会病院への支援を載せた。
 産業振興では、安全で安心な農水産物生産支援及び情報発信事業を盛り込み、園域内での農水産物生産に対し必要な支援を行い、情報共有で首都圏に周知を図る。また、東アジアでの販路開拓のためのPR、調査・研究を行う。
 広域観光では、都市型観光と自然や食文化とが融合した広域周遊観光の推進として、情報を発信するとした。観光誘致対策事業では、中国人観光客の誘致を進めるため、パンフレットの多言語化や、言葉の壁を意識することなく過ごせる体制づくりに取り組むという。
 教育では、文化交流促進事業で、各市町村での講座やイベント情報、施設利用などの情報をホームページで発信する。文化財、史跡等保全・活用事業で、学識経験者や関係団体と連携し、維持・保護を図り、利活用について検討するとした。
 この素案については、委員からは、「共生ビジョンには、どこまで具体的な中身が必要なのか」、「最終目標の数値を組み込めるところまでいけるのか」、「急いで何をすべきか分からない」などの指摘が出された。
 今後、産業振興・広域観光・地産地消、医療・福祉・教育・地域公共交通・交流・人材育成などに分かれたワーキンググループで具体的な検討を行う。9月下旬には最終審議を行い、10月には共生ビジョンを策定する。
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