「雪の花酒造」が7月末で廃業 消える勝納川沿いの酒蔵


yukinohana.jpg 勝納川沿いにある「雪の花酒造株式会社」(真栄1)が、資金繰りの悪化で、7月末で酒類販売業務を終了し、廃業することが7月6日(火)に分かった。
 同社は、1961(昭和36)年に設立。当初は、他社ブランドの日本酒製造を専門としていたが、1995(平成7)年から自社製品の製造を始め、「小樽港」や「北の美人」などの人気商品を道内でヒットさせた。
 2005(平成17)年からは、岸本医科学研究所(苫小牧・徳田充宏代表取締役社長)の傘下に入った。札幌国税局主催の新酒鑑評会で金賞を受賞するなど評価を得ていた。毎年、新酒を販売する酒蔵祭りを開催し、地域住民から親しまれてきた。「日本酒の楽しみ方を面白く・わかりやすく」とネットマンガ「ひとしずく」を配信し、話題を呼んでいた。
 しかし、長引く不況や日本酒消費量の落ち込み、原料高などで、採算が悪化。2009(平成21)年春には、親会社の経営不振から資金援助がストップし、醸造休止に追い込まれた。16人いた従業員を減らし、これまで製造した自社製品の販売は継続してきたが、「資金繰りが限界に達した」と、7月末で販売を休止することを決めた。
 同社では、「これまで支えてくれた皆様に感謝の気持ちを込めて」と、今後、格安販売を実施する。20日に最終出荷を終了し、今後、会社整理に伴う事務処理を行うことにしている。
 小樽市内の日本酒製造元は、勝納川沿いに、雪の花酒造と北の誉酒造、田中酒造の3社が建ち並んでいる。北の誉は、酒類製造大手のオエノンホールディングスの傘下に入り、本社機能はすでに札幌に移っている。今回、雪の花酒造の廃業で、勝納川沿いの酒造元がひとつ消えることになった。関係者からは、「歴史ある酒造なのにもったいない」、「北海道では、もう清酒の酒造免許を取得することは不可能なのに」との声が上がっている。
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 雪の花酒造HP