小樽市議会第2回定例会・予算特別委員会で新病院の基本設計費4,300万円が可決された後の6月14日(月)18:30~20:30、小樽市医師会(津田哲哉会長)と小樽市病院局(並木昭義局長)との懇談会が、医師会館(富岡1)で行われた。
懇談会には、医師会から、津田会長をはじめ、近藤真章・阿久津光之副会長、大庭久貴・外園光一・髙村一郎理事。病院局から、並木局長をはじめ、鈴木隆・馬渕正二両院長、事務局が参加したが、市長や副市長らは出席しなかった。
今回は、「報道関係から公開して欲しいと要望があったが、市側から今回は出来ないと言われた。今後公開しようということになった」と、非公開で行われた。
約2時間の懇談会終了後、同医師会は、記者会見を開いた。「小樽ジャーナル、それから道新の取材を受けた時に、市当局に話し合いの場をぜひ欲しいと言った。その間にも、市立病院について、色々議会が進みましたが、新聞の情報を読んでいると、色々な問題点があり、今日は、市当局と質疑応答の形で行った。
ネットワーク化協議会の位置づけに対し、意識、問題点の捉え方に温度差があったことはお互いに認めました。その温度差を埋めていくのはこれからの問題です。ただ、ネットワーク化協議会の最終報告の最後のその他の項目で、市内の医療情勢が変わった場合に、この協議会を持つという文言がありますので、この協議の場を持つということを提案し、医師会と市当局との話し合いを今後確実に継続することを確認しました。
話し合いで印象に残ったことは、医師会と市立病院当局で話し合えば意識の差を埋めることが出来ると思った。その上で、今後の市立病院を含めた市内の医療を、改めて同じ土俵で話し合っていくことが必要と思った。市議会の先生や報道関係の方々と情報交換をしながら、病院問題を進めていきたい」(津田会長)と報告した。
高村理事は、「小樽市、医師会双方で、市民の健康を守るために、安定的な状態で運営されることを考えていかなければならない。新築プランを説明してもらったが、私たちは了承した訳ではなく、今後もたくさんある課題を話し合うとした。市議会で、新病院の規模は、小樽市医師会や病院がネットワーク化協議会で納得したものを基に作り上げたと言っているが、それは小樽市側の意見で、私たちは全く納得しておらず、意見の違いがあるということは了承頂いた。
小樽市が今構想している形で全適でやっていくのが良いとは思っていない。これからそれがふさわしいのか提言していく。新病院を建設すると、大きな負債を抱えるが、見通しがつくのか、その可能性を追求したい。30年間で返すということも言っているし、計画もあるが、それは単に言っているだけで、本当に実質的なものかは疑問だ。市の計画は、拙速で危ういもの。
本来、構想を始める前に、協議をするべきだった。大変遺憾だ。今後改めてもらいたい。今まで、医師会と小樽市が話す時は、事務方と私たちと話してきた。私たちがどんな提案をしても、小樽市は、これは既定事項で、市長の意向であると、ゼロ回答だった。今回は、病院の最高責任者と両病院長と話す機会があり、大変良い機会を得た。残念ながら、もう基本設計の予算が委員会で通ってしまったが、この中で、設計を終え、建築していくことが正しいのか話し合っていこうと決めた」。
阿久津副会長は、「市立病院は、どうあるべきか。今回、150億円近い金をかけて作る病院計画を、市民に情報公開しているのか。結果として、うまくいかなかったとき、市民に負担をかけることは非常に問題だと質疑をさせてもらった。ベッド数は、これから小樽の人口が減ってくるので、この地域に本当に必要なベッド数を考えないといけない。医師会で388床は認めていない。再編ネットワーク化協議会で、市全体でこの地域にどれくらの病床数が必要か調整する場が必要。このままの計画で新市立病院を建てると、民間の病院と全く同じ診療科になる。税金をつぎ込んで、済生会、エキサイ会、協会病院と同じような急性期病院をつくることは良いことなのか」
近藤副会長は、「再編ネットワーク化協議会の最終報告で、市内の医療状況が変わった時は、協議会をやろうという文言がある。私は、メンバーの一人で、これが生きていると思っていたが、市当局側は、それは全くないという答えで温度差があることが良く分かった。これが、市議会の答弁で使われたのはすごく残念だ」
津田会長は、「議会の人が、どういう風に我々の意見をとらえ、議案を通す時に生かしていくか。これまでそういう機会すらなかったことに怒りを覚える」と指摘した。
医師会では、17日(木)の市立病院調査特別委員会までに、再編ネットワーク化協議会の再開を求める要望書を市に提出する意向を固めた。