小樽市議会第2回定例会の会派代表質問・2日目となった8日(火)、公明党・民主市民連合・平成会の3会派の質疑が行われた。
質疑では、公明党・平成会が新病院問題を追及。この中で、山田勝麿市長は、「病院の今の計画は大幅に見直すことはありません」と断言。また、並木昭義・病 院局長は、済生会小樽病院の新築によって新市立病院の病床数を「減らすことは一切考えていない」と述べた。
千葉美幸議員(公明)は、「新聞報道で済生会の病床数が明らかになったが、新市立病院の規模機能について少なからず修正する必要が出来てきたが」と質問。
並木昭義・病院局長は、「今日の新聞で内容を知ったが、ネットワーク化協議会でもこういう話は一切出て来なかった。済生会の診療科の内容ですが、呼吸器内科は、小樽市全体の少ないところなので心配していない。リハビリテーションについては、我々は整形だけでなく、心臓とか脳疾患とかちょっと違う。これから切磋琢磨してやっていくので、心配はしていない。お互い、刺激し合って良い医療が出来る。これによって388床を減らすことは一切考えていない」と答弁した。
山口保議員(民主市民)は、「がん検診について、新病院で、PET(ペット)CTの導入を検討されるべき」と質すだけで、新病院問題の質疑を終えた。並木局長は、 「時間をかけて多角的に検討する」とした。
成田祐樹議員(平成)は、「民間病院は慈善事業ではない。病床利用率が低くなれば経営から退かなければならない。本市が多くの病床を持つことは民業圧迫ではないか。市立病院はどんなに赤字を出しても補填され、民間病院は税金を払ってつぶれる。こんな理不尽な事が通るはずがない。市内の公的3病院と診療科目が重複するのはどの診療科か。
市内の公的病院や医師会などが不採算医療を担い、頑張っている所にはお金をかけず、新市立病院という箱物にお金をかける。本当に市民の命と健康を守るために必要としている部分にはお金をかけないというやり方は許されない。今後、新病院が完成するまでの期間に一般会計から繰出す金額はどの程度か。今回の計画は、全国の事例から考えても失敗する計画だ」と質した。
山田市長は、「再編ネットワーク化協議会で、市立病院は公的病院の役割分担などネットワーク化に向けての方向性がまとめられたこと、これまで果たしてきた役割と、現在病院が持つ機能を考えると、市立病院は存続しなければいけない。病院は非常に老朽化し、病院機能を維持出来る状況ではない。病院の今の計画は大幅に見直すことはありません」と断言した。
並木局長は、「新病院の診療科目は、現在の診療機能を継続し、民間病院で不足しているものが必要と判断した。民間医療機関でやっていただけるものは民間で やって頂くという考えは変わっていない。
新病院と市内3つの公的病院と重複する診療科ですが、新病院の23診療科のうち15診療科が重複することになる。具体的には、内科、消化器内科、外科、整形外科、麻酔科の5つの診療が3病院、循環器内科、放射線が2病院、呼吸器内科、神経内科、婦人科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、小児科、精神科、リハビリテーションの8診療科が1つの病院と重複する。
新市立病院が完成するまでの一般会計からの負担は、改革プランの繰入金と定例会に上程した4億円の追加繰入を含め、平成22年度から25年度までの4年間の合計では63億円程度で、地方交付税措置額を除いた建設負担額は29億円程度になると試算している。新市立病院建設の起債の元利償還金については、繰出基準に基づいて繰入を行うが、平成23年度から26年度まで2億円程度の繰入となると推定している。
計画案は、一昨年から足掛け2年にわたって、再編ネットワーク化協議会の最終報告の意見を加えてまとめたもの。市民の命と健康を守るためには、この計画に示した新病院の規模・機能が必要で、大幅に見直すことはない。済生会とは連携することで良い医療を行っていける」と答弁した。
また、成田議員は、再質問で、「民間で出来ることは民間で、そして出来るだけコンパクトな病院を建てるということなら、民間で空きベッドがあるのだから、 受入れ可能かどうか話し合いはしたのか」と追求。
並木局長は、「コンパクトというのはただ小さいというのではなく、機能的なものにしたいということ」。吉川勝久・病院局経営管理部長は、「他のところはベッドが空いているから、そこに入れればというが、公的病院は、必要な医師を確保することが難しいので、患者を受入れることはできないと話していた」と述べた。
9日(水)は、一般質問が行われる。
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