4年間の国家公務員任期を終え、今年4月に小樽市役所に戻ってきた「スーパー公務員」木村俊昭さん(49)。産業港湾部副参事に就き、グランドホテルや丸井跡、ベイシティ開発などの課題解決に期待されていたが、2ヶ月の勤務で市役所を退職し、6月1日から、再び、国家公務員として農林水産省の勤務に戻った。
木村さんは、1984(昭和59)年に小樽市役所入庁。財政部、議会事務局、企画部、総務部、経済部産業振興課長、企画政策室主幹を経て、2006(平成18)年度4月1日付で、国家公務員として東京に赴任。内閣官房・内閣府企画官に就き、地域再生策の策定、地域再生制度事後評価、地域と大学連携、地域再生の調査研究等を担当した。
2008(平成20)年度には市役所に戻る予定だったが、内閣府での任期が一年延長。2009(平成21)年度からは農林水産省大臣官房政策課企画官に就き、さらに一年延長となり、地域再生に取り組んだ。
この地域再生への取組みが評価され、2009(平成21)年5月に熱血公務員として、NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル仕事の流儀」で紹介された。その後、「スーパー公務員」として、様々なメディアで取り上げられ、その名が世間に広く知られるようになった。
「国の採用で、内閣官房・内閣府、農林水産省に国家公務員として勤務したのですが、あくまでも小樽市が親元であり、今年4月には戻るようにとのこと」で、小樽市役所に戻った。産業港湾部副参事(次長職)に新規採用され、グランドホテルや丸井今井小樽店跡、ウイングベイ小樽の空き店舗など、小樽の商業振興を担当。山田厚副市長は、「デベロッパーの誘致など、担当する職員が色々なアンテナを持っているので期待している」と話していた。
しかし、「以前から『北海道、小樽の活性化には農林水産業の振興が重要』と考えていましたので、残りの公務員生活において、どの立場で協力していくのがいいのか判断した」と、5月末で小樽市を退職し、6月1日から農林水産省勤務となった。
現在、農林水産省大臣官房政策課の企画官として、地域と大学(農林水産)との連携による講座開設、農商工連携事業の継続・進化の協力、農水省関連団体等の研修講師、政策外交員として農林水産業による地域活性化の講演講師(政策PR)に取り組んでいる。
「北海道、小樽市の活性化には農林水産業の振興が重要と考えてます。それは第一次産業を基盤にして二次三次産業を推進することが北海道、小樽市に大切なことと考えてます。エコノミックガーデニング手法の導入なども考えられるでしょう。
小樽市の場合は、後志の第一次産業と連携して第二次、第三次産業の振興、また、水産業の振興が重要と考えてます。小樽第一号の農商工連携事例も出てきました。地場企業を大切にした人財の育成・導入にも配慮したまち全体の最適化(最もよい状況)、そのため事業構想力を持ち継続・進化しうる政策企画・実現が重要といえます」としている。
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