おたる水族館(祝津3)のアースディ特別講演「サメのよもやま話」が、6月6日(日)13:30~15:00、同館で開かれた。
地球のことを考えて行動するアースディ(4/22)に併せて企画。6月6日(日)から7月4日(日)までの毎週日曜日、サメや自然、トドなど、海の生き物や自然に関するスペシャリストによる特別講演を5回開く。
第1回目の講演は、「サメのよもやま話」。サメ博士として世界で知られている仲谷一宏・水産学博士(北大名誉教授)が、サメの種類、子供の育て方、新しいサメなどについて、約30人の聴衆を前に語った。
仲谷博士は、はじめに、どの魚がサメかを選ぶジャンケンクイズを行った。Aのユメザメ、・コバンザメ、Bのキリサメ・サカタザメのどちらにサメがいるかと問題を出した。サカタザメはエイの仲間、ユメザメが真っ黒けのサメと紹介。参加者の半分程度が子供で、クイズに正解すると、「やった、当たった」、「勝った」と歓声が上がった。
「サメは体の横にえら孔があり、えらが一つしかない魚はサメではない」。「ジンベイザメは、世界で一番大きいサメ。世界で一番小さいサメは、手のひらくらいのコビトザメ」。「インドジュモクサメは、飛行機のグライダーみたいな形をしている」。「ホホジロザメは、北海道でも捕れたサメで、危険なサメ。日本でも人を襲って食い殺した例がある。虎模様で、ものすごく怖い。英語でタイガーシャークと呼ばれている」などと、写真をスライドしながら、サメの見分け方や種類を次々に解説した。
30年前にハワイで発見されたメガマウスザメの特徴も詳細に語った。「発見されるまでは知らなかった大きなサメ。大きな口だということからメガマウスと名づけられた。1989年には、日本で、世界で4番目となるメガマウスが打ち上げられた。今年5月まで、世界中で捕られ、太平洋側が多い。中でも日本が12 匹と一番多い」と、メガマウスザメがその大きな口でエサを食べるアニメーションを披露。
最後に、「もう一つ、メガマウスの食べ方を紹介します。解剖したあとに天ぷら、から揚げ、ムニエルにして食べた。一流の料理人に調理してもらったが、まずかった。プランクトンを食べるから、筋肉が発達しなくても良いので美味しくない」と笑いを誘った。
「サメは大切にしないとすぐに滅びてしまう。皆さん、恐いと思っているが、子供を生む数が少ないので、すごく弱い魚。サメが滅びると海の中のバランスが崩れ、人間の食べ物が変わったり、無くなる。サメは大事にしないといけない。ほとんどのサメは恐くない」とまとめた。
この後、利尻で網にかかった体長2m・体重100kgのネズミザメの公開解剖を行った。一般家庭にある文房具のカッターで、腹を切り、軟骨や内臓を見せた。見学者から「普通のカッターで切れるのですね」と質問が出され、これに、「カッターが一番切れるのですよ」と答えた。最初は、おっかなびっくりだった子供たちだが、次第に前へ前へ近づき、「軟骨下さい」、「うわ皮膚がザラザラする」と興味を示し、サメ博士の解剖術に目が釘付けとなっていた。
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