病院統合新築工事基本設計4,300万円や病院事業の不良債務解消のための4億円の繰入金など、小樽の地域医療にとって重要な議案を審議する小樽市議会第2回定例会が、6月3日(木)に開会した。
市は、2010(平成22)年度一般会計補正予算、住宅事業特別会計補正予算、病院事業会計補正予算など予算議案4件、職員給与条例などの条例改正案12件を計上。
一般会計補正予算では、病院事業の不良債務を解消するため4億円を繰出す。この4億円は、下水道事業からの借金3億円、次年度からのカラ財源8,838万円、たばこ税5,000万円を財源にしている。
このほか、小樽協会病院への「周産期医療支援事業補助金」770万円、「小樽文学館・美術館再整備事業費」5,771万8,000円、「重点分野雇用創造事業」5,275万4,000円(道補助)、市独自の「雇用対策事業」1,080万円を盛り込んでいる。
病院事業会計では、2007(平成19)年11月に中断した新病院の基本設計再開分の経費4,300万円を計上。うち、一般会計から2,150万円の繰入金を投入する。
3日(木)13:00からの本会議で、山田勝麿市長は、「病院事業における平成22年度末での不良債務の解消に向けて、一般会計からの追加の繰出金を計上するとともに、病院事業会計におきましては、市立病院の統合・新築に向けて、基本設計を再開するための所要の経費を計上し、下水道事業会計につきましては、一般会計に対する貸付金を計上いたしました。一般会計におきましては、歳出に対応する財源といたしまして、市税、国庫支出金、道支出金、寄付金、繰入金、諸収入及び市債を計上し、補正額は歳入歳出ともに6億8,025万円の増となり、財政規模は560億2,285万9,000円となりました」と提案説明。
今議会は、山田市政任期12年の最重要公約である新病院建設の基本設計費が、建設場所を変えて再び計上されている。市がまとめた「新市立病院計画概要(案)」では、高い建設単価や民間病院の経営を圧迫する規模の病床数などが盛り込まれており、市内の医療者たちからは、「小樽の医療崩壊につながる」、「こんな総花的な病院は小樽にはいらない」などと、波紋が広がっている。
行政のチェック機能である市議会が、山田市長が任期残り1年を切って焦って出している病院計画に、どこまでメスを入れることが出来るのか、市民や医療関係者からの注目が集まることになる。
第2回定例会は、21日(月)までの19日間。こちら
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