小樽市は、6月2日(水)、高額療養費の未請求問題で「業務事故再発防止マニュアル(案)」を公表した。
同未請求問題は、担当職員が、福祉医療助成制度に係る高額療養費の請求事務を怠ったことで、市に6,751万494円の多額の損害を与えた。
市は、損害の半分の3,414万8,000円を、小樽市職員福利厚生会からの寄付で賄った。残りの3,336万2,494円は、当事者に2,000万円を請求。関係した現役職員5名・OB5名の計10名から1,000万円。特別職・管理職、部長会・課長会、水道局職員福利厚生会、消防職員福利厚生会などから、336万2,494円を集めた。
懲戒処分は、2002(平成14)年度から2005(平成17)年度に担当していた職員が停職3ヶ月。当時の係長・課長(在籍4年、50代)を減給10分の1・3ヶ月、当時の課長(40代)を減給10分の1・2ヶ月、次長(現部長職)を減給10分の 1・1ヶ月とした。小樽市長は、68万円の給料から、1ヶ月だけ30%の20万円を減給することで責任を取ったとしている。関連記事
このほど、有識者3名の協力を得て「業務事故再発防止マニュアル(案)」を作成。同マニュアルは、どうして事故は起きたのか、業務上の事故の再発を防ぐために(全職場用)、管理監督者が気をつけることなどを24ページでまとめた。
「この問題は、担当者の業務に対する理解や責任感の欠如が最大の原因として挙げられますが、未請求が長期にわたっているにもかかわららず、発見できなかった職場の体制、上司の姿勢にも大きな問題がありました。問題の再発を防ぐために何をするべきなのか、考え方をまとめました」と、職員への業務の見直しを求め、組織や職場での問題点、業務の改善方法などを記している。
再発を防ぐため、「人間はミスをするもので、ミスは避けられないということを想定したチェック体制づくりを行う」ことを基本に、担当をメインとサブの2人制、単一業務だけでなく定期的に職務の異動を行うジョブローテーションを取り入れ、書類の決裁の改善を図ることにしている。
2日(水)13:00から市役所別館第2委員会室で開かれた厚生常任委員会と総務常任委員会の連合審査会で、このマニュアル案を公表。委員たちは、「担当職員の懲戒処分が最高の6ヶ月ではなく、半分の3ヶ月にするという議論の中身は」、「このマニュアルが、最良だとは思わない。その時で、柔軟な考え方をもって最良の判断をするべき」などと指摘した。
市総務部では、この連合審査会と有識者3名の議論を受け、7月をメドに策定し、庁内に示すことにしている。
◎福祉医療助成制度に係る高額療養費の未請求について