北前船船主の子孫で、チェンバロ奏者の明楽みゆきさんが発案した「現代版北前船ツアー」(同実行委主催)のレセプションイベントが、6月1日(火)、小樽の3会場で行われ、ツアー参加者や市民たちが、「江戸時代とバロック時代」の文化コラボレーションの魅力に浸った。
明楽さんは、北前船船主の5代目子孫。「北前船」の往来があった小樽の地で演奏したことがきっかけで、「現代版北前船ツアー」の構想が浮かんだ。
ツアーは、6月2日(水)から6月6日(日)までの4泊5日で、新日本海フェリーを「現代版北前船」と見立て、小樽発ー舞鶴行の船内で、約300年前の歴史や文化を楽しむ。北前船の歴史トークやチェンバロコンサート、シェイクスピア朗読劇、松尾芭蕉・句会などを企画している。当初見込み40人の2倍の84 人がツアーに参加する。関連記事
同実行委(眞田俊一実行委員長・小樽観光協会会長)では、「現代版北前船として今、もう一度北の大地から日本全国へ向けて、食・文化・アートの交流を発信したい」と、出発前日の6月1日(火)に、ツアー客以外も参加出来るレセプションイベントを企画。
小樽運河プラザ三番庫(色内2)では、「北前船を語る夕べ」(入場無料・鰊三平汁無料提供)。小樽倉庫No.1(港町5)では、「ヘッドドレスショー」。小樽市能楽堂(花園5)では、「雅楽とチェンバロの雅な世界」と、北前船や当時の文化を学び楽しめるイベントを市内3会場で行った。
「ヘッドドレスショー」は、小樽と札幌の美容師やドレスデザイナー17組が創作出演。北前船の交易があった約300年前の日本のスタイルと、17世紀前半のバロック時代で流行した頭部のアクセサリーを融合させたファッションショー。
コンセプトは、「時楽/JIRAKU」。約50cmの盛り髪に北前船をイメージしたヘッドドレス。白いドレスと扇子、鮮やかな着物とヘッドドレスなど、出演者たちは様々な工夫を凝らし、国と時代を越えた新しいアートを発表。中には、ペアの衣装で登場し、会場に投げキッスを送る親子モデルも。「かわいい」。「きれい」と、満席の会場から歓声が上がった。審査の結果、小樽の講師会Aチームが優勝した。
「雅楽とチェンバロの雅な世界」では、小樽住吉神社楽部と明楽さんが、日本古来の歌と舞、チェンバロの文化コラボレーションで、蘇州夜曲(そしゅうやきょく)、ラストエンペラー、王昭君(おうしょうくん)など6曲を演奏。
能楽堂から独特な世界観が広がり、270人の聴衆たちは、その音色にじっくりと耳を傾けていた。聴衆の中には、ヘッドドレスショーのモデルの姿も見られた。
北海道の中でも古い歴史のある小樽の街で、江戸時代とバロック時代をテーマにした文化コラボレーションが華やかに繰り広げられた。
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