小樽市・山田勝麿市長が示した「新市立病院計画概要(案)」に基づく基本設計費4,300万円などの新病院問題を審議する市議会第2回定例会が、3日(木)から始まった。
今定例会には、山田市長の3期12年にわたる最重要公約でありながら、未だ何ら取組みに至っていない新市立病院建設で、建設地を変えて再び基本設計費(4,300万円)を計上した。
築港地区での基本設計費計上は、一時中断で業務委託料2,581万円が無駄となり、市民から住民訴訟が起こされている。これに懲りず、市長は、再び、148億7,300万円の豪華病院計画を強引に推し進めている。
市長の新病院計画は、148億7,300万円の工事費で、診療科23 科・病床数388床にも及ぶ総花的な豪華病院を目指している。しかし、高すぎる工事費や病床数などには、多くの問題があり、徹底した審議が必要となっている。
本社では、来週から始まる質疑の前に、自民党(11)・公明党(5)・共産党(5)・民主市民連合(4)・平成会(3)の市議会5会派の代表者に、この新病院問題にどう対応するのかを3日'(木)に聞いた。
市議会最大会派自民党議員会の横田久俊会長は、「来週の会派代表質問で病院問題に対してかなりのボリュームをとっている。これが会派としての意見となる。基本的には、早く進めて頂きたいと思っている。建設単価や病床数の根拠を質し、妥当性をこれから議論する」。
公明党議員団の高橋克幸副団長は、「新病院建設は早く進むべきという立場。病床数は388床で、本当に借金を返していけるのか。自治体病院だから赤字が出ることもあるが、大量の税金を出していいのか、出来るだけ少なく、収支トントンでいく病床数が良いので議論する。診療科も中身を議論する。建設単価は、民間病院との比較で検討するのは乱暴だが、33万円の試算が妥当かどうか、勉強して精査しないといけない」。
共産党議員団の北野義紀団長は、「雇用の問題で、地元発注で若干高いのは賛成するが、べらぼうに高いのはダメ。病床数は400床から縮めたのはいいが、単価があまりにも高すぎる。医療機器にもメスを入れる。関係者と、もっと診療科について話し合うことが必要」
民主市民連合議員会の佐々木勝利会長は、「建設単価が33万円で出ているが、高いのではないか。病床数は絞った感じがする。これからの審議で、建設単価や病床数が妥当な数字なのか検証していく」
平成会の大橋一弘会長は、「病院を作ることには賛成している。建設費の負担を極力減らすことを目標にしないと、将来、病院が小樽市政の重荷になる。病床数は、診療科を絞って少なくするべき。精神科80床は大きすぎる。もっと絞るべき。職員の数も」としている。
日程では、会派代表質問(7日・8日)、一般質問(9日)、予算特別委員会(10日・11日・14日)、各常任委員会(15日)、市立病院調査特別委員会(17日)などで、この問題の質疑が行われる。
市議会与党は、これまで市長の言いなりのまま築港地区での豪華病院計画を推進し、ずさんな市の病院収支計画を何回も承認し、市長と一蓮托生で進めながら失敗をした”前科”を抱えている。
任期12年の最終年の1年を切って、慌てて再提案された量徳小での148億円もの豪華病院計画を、再びすんなりと認めるならば、前回の失敗から何の教訓も得ていないことが露呈し、市議会議員の質や市議会の存在理由が問われることになる。
任期1年を切った市長や議員には、医療関係者や多くの市民からの厳しい目が注がれることになる。
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