市長が被告の住民訴訟 13日(木)に証人尋問 長隆氏が証言


 山田勝麿小樽市長を被告とする住民訴訟の証人尋問が、5月13日(木)13:30から札幌地方裁判所で開かれる。
 この住民訴訟は、原告の小樽市稲穂在住の市民・松浦光紀さん(64)が、山田市長が選挙公約として推し進めていた市内築港地区での新病院建設計画で、財政的な起債の目処がないまま基本設計を発注して中断し、業務委託料2,581万円を設計会社に支払ったのは違法・不当な公金支出であるとして、市に返還を求めている。
 これまで9回にわたる口頭弁論が行われ、原告・被告がそれぞれの主張を述べた準備書面を提出し、双方の主張が出尽くしていた。今回は、双方の主張を裏付けるための証人尋問が行われる。
 証人尋問では、原告の証人に総務省の公立病院改革ガイドラインを策定した長隆氏が出廷し、被告の証人には、吉川勝久・病院局経営管理部長が立つ。
 これまでの原告・被告双方の主張の中で、起債の可能性があったのかが争点となっている。被告は、「公立病院改革ガイドラインは、起債に影響を及ぼさない」と議会答弁で述べていたが、本訴訟では、一転して、「基本設計を中断したのは、公立病院改革ガイドラインの影響を見極めるため」との理由を述べている。
 このため、公立病院改革ガイドラインの策定で、中心的な役割を果たしてきた長隆氏が証言することになったことは、極めて興味深く、今後の裁判の行方にも大きな影響を及ぼすことになりそうだ。被告側は、吉川勝久・病院局経営管理部長が証言に立ち、起債の可能性があったとの認識や新病院建設計画の凍結に至った経緯などを証言すると見られる。
 第10回口頭弁論は、5月13日(木)13:30から、これまでの701号法廷から802号法廷に移して行われる。13:30から長隆氏、その後、吉川氏の順序となっている。
 原告の松浦さんは、「802号法廷の傍聴席で、誰でも自由に傍聴出来るので、市民にはぜひ傍聴してもらいたい」と呼びかけている。
 関連記事