最高23.0℃を記録し、7月中旬並みの気温となった17日(月)。石狩湾に、今年2度目の「高島おばけ」が出現した。
おだやかな銭函海岸から、祝津の高島岬とトド岩が伸びたり縮んだりと刻一刻と変化するおばけの姿が、観測された。
観測したのは、蜃気楼を研究する小樽市総合博物館の大鐘卓哉学芸員。「17日は気温も上がり、おだやかな銭函海岸から石狩湾に南風が吹いていたので、発生の条件がそろっていた」と予想し、銭函の小樽ドリームビーチへ。
暫くし、12:30から14:00頃にかけ、上位蜃気楼「高島おばけ」が発生。高島岬とトド岩が伸びたり縮んだり、刻一刻と姿を変化させた。蜃気楼は、今年2度目の発生で、前回の5月2日(日)に続き中規模クラス。この中クラスは、一般の人が双眼鏡で判断できる規模。特大規模になると、一般の人が見て、すごくビックリするほどという。
小樽では、上位蜃気楼のことを「高島おばけ」と呼ぶ。1846(弘化3)年に、北方探検家の松浦武四郎が、小樽の海上で「蜃気楼」を見たと日誌に記しており、当時の人々は、小樽沖の蜃気楼を「高島おばけ」と呼んでいたことから、今でもこの呼び名が使われている。
17日(月)は、富山県魚津市の富山湾でも上位蜃気楼が観測され、新聞各紙で大きく取り上げられ、Yahooのトップページにも掲載された。
大鐘学芸員は、「富山湾と石狩湾で同じ日に蜃気楼が発生した。日本全国で蜃気楼が同じ日に見られることはあり、同じ気圧配置のパターンで蜃気楼が発生するということが分かり、予報しやすくなった。研究がまた一歩進んだ」と声を弾ませた。
同館提供の連続写真で、石狩湾で発生した上位蜃気楼「高島おばけ」をご確認下さい。
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