女性文芸誌「あさゆう」の足跡 文学館企画展


asayu.jpg 小樽市文学館(色内1)は、4月17日(土)から5月30日(日)まで、女性文芸誌「あさゆう」の足跡を追う企画展を開催している。
 同雑誌は、1956(昭和31)年、小樽出身の画家・森本光子ら24人によって創刊された。会員数は129名で北海道内随一。2001(平成13)年まで34集発行された。ざら紙ガリ版~コピー版の月刊は546号にも及んだ。第8集からは、小樽出身のエッセイスト・詩人の小田節子が参加し、17集以降の編集を担当した。
 「『あさゆう』は、森本、小田の他、随筆『槌の音』他の須磨トヨ、小説『越後柿』他の三上雪子ら、すぐれた書き手を輩出させました」と同館は評価する。
 同雑誌の創刊に尽力した森本光子が2006(平成18)年、後半の編集を行い支えた小田節子が2008(平成20)年に逝去したことから、同企画展で小樽出身の2人を追悼する。
 34冊の「あさゆう」をはじめ、月刊550冊を中心に、編集・あとがき、森本、小田の生原稿、会計帳簿など、約700点の資料を展示し、当時の社会的背景の中で困難を乗り越え、先駆的活動を展開した女性文芸誌の足跡をたどっている。
 1集のあとがきでは、「なにしろ始めてのことでどうなる事と思い、編集しましたが、どうやら、まとまった様な訳です」などと綴られており、創刊時の、森本光子の胸中を読み取ることが出来る。
 企画展「女性文芸誌『あさゆう』の足跡」は、4月17日(土)から5月30日(日)まで。入館料:一般300円、高校生・市内在住70歳以上150円、中学生以下無料。