札幌のグループホーム火災 小樽市が緊急調査


 小樽市消防本部と小樽市建設部・福祉部は、7人が焼死した札幌市北区の認知症グループホーム「みらいとんでん」での火災を受け、同施設と同様の市内の認知症グループホームなど60施設の緊急調査を実施。4月13日(火)に、その調査結果の概要を発表した。
 緊急調査は、3月15日から30日までの16日間。対象は、認知症対応型共同生活介護施設関係(認知症グループホーム)38施設(入居約700人)のほか、老人福祉施設、身体障碍者福祉施設等22施設。
 市消防本部と建設部から指摘を受けたのは、このうち5施設。防火管理者未選任、消防計画未作成、自衛消防訓練未実施、定期報告なし、増築に伴う確認申請なし等だった。
 市消防本部から防火管理者未選任と指摘された2施設のうち1施設は、たまたま人事異動の時期と重なり、管理者が退職していたという。同部では、今後、2日間の講習で管理者の資格を取るよう指導。また、自衛消防訓練の未実施だった1施設は、すでに4月9日(金)に同部担当者が施設に出向き訓練を行ったとしている。
 市建設部から定期報告なしの指摘を受けた1施設は、2010(平成22)年度中に報告すると確約。増築に伴う確認申請なしの1施設は、建物を増築前に戻すか、新たに申請するか検討しているという。
 消防法の改正で、延べ面積275平米以上の福祉施設には、火災が発生すると自動的に散水するスプリンクラーの設置が義務づけられている。今回の緊急調査で、275平米以上の対象34施設で、半分以下の13施設しか設置していなかったことが分かった。
 市消防本部では、設置には2012(平成24)3月末までの猶予期限はあるが、「出来るだけ早くに設置して欲しいと指導した」としている。